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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【連休に印のついたカレンダー】

2004.5.15 

中村桂子館長
 今日は、青い空が広がって、とても気持ちのよい日です。机に向って仕事をしていて、ふと気づくと7時過ぎている・・・日が長くなりました。今年は、昨日と今日とで温度差が10℃もあるというような日が続き、季節の動きが滑らかでなく、体調にも影響が出ましたが、それでも着実な変化は感じとれます。
 というようなことを書いてきたのは、ミツバチの話があるからです。このところ5月になるとこの話題ですが、今年も分蜂しました。しかも二回・・・ということは二グループいるハチが両方共ということです。一回目は4月29日、2回目は5月4日。面白いことに、これまで4年。必ず連休中に分かれるのです。今年の桜の咲き方は、恐らくこの一年の気温変動を反映してのことでしょう、例年とかなり違いました。ところがミツバチはやはり連休中。連休のところに赤い印のついたカレンダーを持っているとしか思えない・・・と言って友人に思いきり笑われましたが、少なくとも気温ではなさそうです。手頃な情報は調べましたが、答は得られませんでした。ミツバチダンスは太陽との角度を測ると言いますから、そういう測定能力があるのかも。とても簡単な問いのようで、答がそれほど簡単には手に入らないことがあるとしばらく楽しめます。
 そういえば、最近セイヨウミツバチのゲノムが解析されたという報告がありました。ニホン、セイヨウ、アフリカとあって、この順番で攻撃性が高くなるとか。確かにニホンミツバチは、周囲を飛びまわっていても刺されたことはありません。攻撃性は、どんな形でゲノムに書き込まれているのか、攻撃性が低くても存在し続ける仲間の方がよいような気がするけれどいかがなものだろう・・・・ちょっと人間のことを思いながら、そんなことを考えました。
 
 
 【中村桂子】


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