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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【学会がありました】

小田広樹

 毎年、このシーズンに日本細胞生物学会と日本発生生物学会の年会があります。私たちの研究室は、今年はそれぞれの学会でひとつずつ発表を行いました。学会は自分たちの研究をアピールする場として貴重ですが、研究者間の情報交換の場としても大事です。雑誌やインターネットを通して情報が得られるとは言え、日常の研究環境の中ではなかなか得られないタイプの情報もあります。実験技術に関するものはそのひとつです。すでに他の研究者の論文に記述されている技術であっても、その論文だけを見て自分で行おうとしてもそんなに簡単にできるものではありません。すでに同じ技術を確立している研究者を学会で見つけてノウハウやコツを教えてもらうのはひとつの打開策です。どんな道具を使っているのか、どの会社の試薬を使っているのかなどを聞いて、そういうちょっとしたところを変えることでうまく行ったりすることもあります。
 研究は新しい技術の積み重ねです。他の研究者が開発した技術を取り込んだ上で、そこへ自分が付加価値を付けていく営みです。私たちの研究室はクモを使って研究を行っていますが、今のところ、この動物に対して適用できる技術には(他の実験動物に比べたら)大したものがありません。他の動物を使って先に進んでいる多くの研究者にいろいろと教わりながら、それらの動物と少しは対抗できるぐらいの実験解析系をクモで作ることができたらいいなと思っています。



[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 研究員 小田広樹]

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