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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【進化を学びに来ました!】

魚住太郎
 初めまして、この春から大学院生としてBRHに所属しました魚住と申します。私の場合、生物の図鑑を見た時から生物の進化に興味を持ち、生きものは環境に対してどんな風に変わっていったのか知りたいと思ったのと、近年注目されている遺伝子についてその生物進化との関係を知りたくてここに来ました。また、館内展示の「蟲愛づる姫君」が古典の中では好きな話だったりしたことも多少影響があった気もします。
 この生物の進化ですが、結構奥深いもので、まだまだ勉強不足だなと日々痛烈に感じています。先日、日本進化学会を見学してきたのですが、発表はほとんどが生物学・進化概念についてではあるものの古生物や言語学等多岐にわたっていて、進化に携わる人もバラエティ豊かだと感じた一方で、果たして自分はどれだけ理解できているかを反省するとちょっと切ない気持になります…。
 しかし、この「進化」というものは確かに起こっているものなのですが、どのようにして進化が起こっているのかはまだはっきりしていないようで、再現できないことも大きな壁のようです。例えば、学校の教科書でメジャーな総合説でもすべてが説明できるかと言えば、そうではないそうです(有利に働く突然変異の確率は非常に少ない等の欠点がある)。ラマルクの用不用説を説く先生がいたり、ダーウィンに対抗して創造説が幅を利かせていたり、またそれに対抗して空飛ぶスパゲッティ・モンスターが登場したりと、進化関連の混沌とした話も多いですね。
 しかし、私が進化に興味を持ったのはその「わかっていないこと」が多いというのも理由の一つです。生物以外の話では、例えば歴史では記録の少ない弥生時代とか古代が好きだったりしますし、答えが誰にもわからないことの多い分野の社会科学とかにも興味があります。よくわからないからこそいろいろ考えられる、それが楽しい。もう忙しくて、楽しいとか言っていられなくなるかも知れませんが、興味に対する好奇心で頑張って行こうと思います。




[DNAから共進化を探るラボ 魚住太郎]

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