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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【研究館に来てから2年】

魚住太郎
 いよいよ修士論文の提出と発表の日が近づいています。現在はそれに追われているのですが、思い返してみると生命誌研究館に来てからもうすぐ2年が経とうとしています。
 私が生命誌研究館を初めて訪ねたのは、阪大の大学院入試で蘇先生の研究室に入りたいと思い、お話に伺ったときです。あの時からもう2年半以上は経っていると考えると時間の流れの早さに改めて気づかされます。
 私は大学4年時の卒業研究ではクマムシの研究を行っていたのですが、こちらに来てからはガラッと内容が変わり、遺伝子の変異から鰓脚類の進化過程について研究しました。鰓脚類は甲殻類の仲間ですが、非常に六脚類(広義の昆虫類)に近い可能性が高く、また多くの種が何億年もその見た目の姿をほとんど変えていない「生きた化石」です。代表的な種はカブトエビやミジンコでしょうか。詳しい内容はラボの活動報告にあるのですが、進化という生命の不思議に触れることができ、本当によかったです。
 大学院に進学してからの2年間にはいろいろなことがありました。研究での専門の内容の勉強や実験、生物の採集に滋賀県立琵琶湖博物館の研究室の方をお訪ねしたこと、学会で発表したことの他に、館内のイベント行事(サマースクール、わくわく宝島出展等)に参加したこと、また、研究館では中村先生や宮田先生のお話を聞くことができ、非常に勉強になりました。阪大で平田オリザ先生の授業を受けたことも印象に残っています。
 また、高槻では、社会や世の中の仕組みについて等いろいろと学んだりもできました。そして、自分から積極的に何かに関わることの大切さを改めて知ることができました。ここでは多くを語れませんが、今後の自分と社会との関わりについていろいろ考えることのできる貴重な経験だったと思います。
 そして、もうすぐ修士論文の研究成果の発表をするのですが、今までお世話になりました蘇先生をはじめ蘇ラボの皆様に、そして生命誌研究館の皆様に感謝の意を捧げたいと思います。
 またこれからも何らかの形で生命について考えることができれば、と思っています。



[DNAから共進化を探るラボ 魚住太郎]

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