あおやま・ひろひこ/
岡田節人、竹市雅俊両師のもとで、おたがいが接着する細胞と、バラバラでいる細胞との間で雑種細胞をつくって細胞接着の仕組みを知ろうとしたのが研究生活のはじまり。生き物は細胞から、という視点ができてしまいました。
給料をもらうようになったのは福井医科大学解剖学講座(野条良彰教授・渡辺憲二助教蒸)で。そこで人体解剖学実習に携わり、様々な組織、器官が組み合わさってできている有機体としての生き物の構造にかなりなじめるようになりました。ヒトの体は、肉眼で観察できる従分な大きさがあり、また見たものを自分の体で確かめられるものも多く、生き物の形をまさに実感できました。さらには、ひとつの人生を終えられた方々のご厚意のおかげで、物体としての体と、よくわかりませんが少なくとも私自身ももっているはずの命とを不可分の形で体感できたのは幸いでした。
その間にフランスの発生学研究所(Nicole Le Douarin所長)のJean-Paul Thiry主任研究員のもとで、神経堤細胞の接着と移動について培養系を用いた研究を行い、そのかたわらニワトリ- ウズラキメラ胚づくりに代表される微細剰術を盗み見ていました。彼らの、例え他人が同じ様なことをしていようと、自分は自分として突き進み、結局独自の仕事にしてしまう力強さはお手本にしたい、しかし、あのような大食漢になれない私はやはりわびさびの世界の住人かとも思っています。わたしが今やっているホネの形づくりの研究では、力強いわびさびをめざしていくつもりです。
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