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ばば・ひさお/
国立科学博物館人類研究部部長、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授(併任)。1945年東京生まれ、東京大学理学部生物学科人類学課程卒業、同博士課程中退。独協医科大学解剖学助教授をへて現職。専門は人類形態進化学。人類の進化や日本人の起源を身体の形態と機能との関係から分析する。たとえば、直立二足歩行獲得のメカニズム、アジア人の進化、東アジアおよび日本の現代型新人化石、縄文以降の日本人の変遷など。最近では、顔を学際的に研究する学会を研究仲間と創って、縄文顔と弥生顔の形成原因や顔の色気の研究も行っている。 |
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![]() 最近10年ほど、インドネシア研究者と協力して、最古のアジア人であるピテカントロプス(ジャワ原人)化石の野外調査と研究を実施している。写真は、ピテカントロプス化石のうちで最も保存のよいサンギラン17号頭蓋の復元。上がオリジナル化石、下が整形復元した模型。 サンギラン17号は脳頭蓋が長く広く低く、眼窩上隆起が発達している。頭は大きいが、骨が厚いので、脳容量は約1.000mlしかない。後頭部の下面の頚の筋肉の付着部は現代人の2倍以上も広く、背筋がきわめて強かったことが分かる。顔の骨は頑丈で、頬骨が大きく膨らんでいるので、そこに付く咬筋が発達していたことが分かる。鼻は小さく、隆起してはいない。歯は小さめで、口はあまり突出しない。これらの特徴は、後期の原人の特徴をよく表している。復元に伴う研究によって、さらに多くの進化的に重要な形態特徴が明らかになった。 ピテカントロプス化石の研究は、私たちアジア人の祖先を探るためだけでなく、世界中の現代型新人の起源を巡る最近の論争に関しても重要である。つまり、「多地域進化説」によれば、ピテカントロプスが南ではオーストラリア先住民に進化し、北では北京原人に進化してから日本人になったことになる。一方、「アフリカ起源説」なら、ピテカントロプスの子孫はアフリカからやってきた現代型新人によって絶滅させられたことになる。この問題は、遺伝学的な証拠と絡んで激論が戦わされている。その際、化石の証拠の重要なポイントの一つがピテカントロプスなのである。 |
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