日本語版 go english
JT生命誌研究館 目次 科学者の一覧 物語マップ 検索マップ コミュニケーションルーム
神経科学 遺伝学 マウスやラット 中部、北陸
  神経伝達と高次脳機能の分子生理学
顔写真
氏名   小林 和人
name Kazuto Kobayashi
e-mail なし。
住所1 kazuto@fmu.ac.jp
住所2 福島県立医科大学・生体情報伝達研究所・生体機能研究部門
telephone 000-0000-0000
facsimile 000-0000-0000
住所3
こばやし・かずと/
<生年月日>昭和35年6月16日生 専門:分子生物学、神経科学
<略歴>
昭和60年4月―昭和62年3月 名古屋大学農学研究科博士課程(前期課程) (生物化学専攻)
昭和62年4月―平成2年3月 名古屋大学医学研究科博士課程(第一生化学専攻)    
平成元年4月―平成3年3月  日本学術振興会特別研究員
平成3年4月―平成3年7月  名古屋大学医学部・助手
平成3年8月―平成5年7月  藤田保健衛生大学医学部総合医科学研究所・助手
平成5年8月―平成8年6月  同上・講師
平成8年7月―平成11年4月 奈良先端科学技術大学院大学 遺伝子教育研究センター・助教授
平成11年5月より現在に至る 福島県立医科大学医学部附属生体情報伝達研究所 ・生体機能部門・教授  
人間の脳には百億を超える神経細胞が存在すると考えられており、これらは複雑な神経回路を形成します。神経回路における精密な情報処理が、高度な脳機能や精神活動を支える源になっています。一方で、神経回路の機能異常は、精神や感情の疾患の原因となります。初期の研究から、脳にはおよそ3万種類の遺伝子が発現しており、これらは神経系の発達や機能に関係していると推測されてきました。最近のゲノムプロジェクトの進展により、脳で発現する遺伝子の構造の全貌が明らかになりつつあります。我々の研究室では、脳における情報処理の仕組みを明らかにするためには、神経回路を構成する細胞の役割やそこで機能する遺伝子の役割を解明する必要があると考えています。この問題の究明のために、実験動物モデルとしてマウスを利用し、独自に開発した遺伝子操作技術を使った研究に取組んでいます。動物モデルから得られた知識は、脳機能の異常に起因する精神疾患の原因究明や治療法の開発のための重要な基礎となります。
もっと詳しく知りたい方へ
スライド、この一枚
 我々の研究室では、運動制御と記憶保存に関係する神経機構の究明に焦点をあてています。運動制御において、脳は、外部から受容した刺激に依存して、一連の秩序だった運動を指令します。この制御には、大脳基底核と呼ばれる複数の脳領域を連絡する神経回路が重要な役割を持っています。大脳基底核の機能異常は、パーキンソン病やハンチントン病の発症と関係します。我々は、大脳基底核の活動に神経伝達物質のドーパミンが必須の役割を持つことを遺伝学的に明らかにしてきました。

現在、ドーパミン神経の活動の調節およびドーパミンに依存する大脳基底核の活動制御に関する分子神経機構の解明に取組んでいます。また、記憶の保存には、複数の脳領域(大脳皮質、海馬、扁桃体など)における神経活動の相互作用が必要であると考えられています。我々は、長期記憶の保持に神経伝達物質ノルアドレナリンが本質的な役割を持つことを遺伝学的に見出しました。現在、脳内で記憶を保存し、修飾する仕組みの理解へ向けて、ノルアドレナリンによる記憶保持の神経機構およびその情報伝達の分子機構の解明に取組んでいます。

 このような脳機能の仕組を解明するためには、個体レベルの遺伝子操作技術が必要です。我々の研究では、主に、2種類の遺伝学的研究手法を用いています。

 第一は、イムノトキシン細胞標的法と呼ばれ、神経回路から特定の神経細胞を除去する手段です。目的の細胞の除去による動物の行動や生理変化を調べることによって、複雑な脳機能における個々の神経細胞の役割を明らかすることができます。

 第二は、脳領域や神経細胞タイプに特異的な遺伝子破壊法です。条件的な目的遺伝子の破壊は、脳機能における遺伝子機能の詳細な理解を可能にします。このような新しい個体レベルの遺伝子操作技術は、我々の研究室における運動制御や記憶保存の研究にとって強力な実験手段になっています。
scientists index top detail back