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神経科学 生態学・行動学 カエル 九州、沖縄
  衝突回避のための、カエルの脳のしくみとつくり
顔写真
氏名   中川 秀樹
name Hideki Nakagawa
e-mail naka@bse.kyutech.ac.jp
住所1 九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻
住所2 行動発現機構研究室
telephone 000-0000-0000
facsimile 000-0000-0000
住所3
なかがわ・ひでき/昭和36年広島県に生まれる。幼少の頃から昆虫に魅せられ将来、なんとなく博士になることにあこがれる。広島大学理学部生物学科動物学専攻に在学中、動物行動学と神経生理学の面白さに惹かれ、その集大成たる神経行動学を志す。大学院は、無脊椎動物の神経行動学の分野において顕著な業績でリードしていた北海道大学の久田光彦教授に師事。日本学術振興会の特別研究員としての2年を含む7年間、北国の研究室でアメリカザリガニの平衡応答に関連する脳神経系の研究に従事し、理学博士を取得する。その後、1年半ほど、カリフォルニア大学デービス校でBrian Mulloney教授のもとで海の向こうのザリガニを相手にポスドク生活を送る。平成4年の秋、九州工業大学情報工学部松本修文教授のもと助手として赴任。以来、工学部的ものの考え方と実験動物のコペルニクス的転換にとまどいながらも、脊椎動物カエルの視覚系という古くて新しい研究分野の難しさと可能性に日々、落胆と興奮を繰り返しながら研究生活を送っている。平成12年春から、新設の研究科で現在の研究室を主宰するにいたる(とはいっても、平成12年冬現在、まだ建物はできておらず、依然古巣でご厄介になっているのだが)。大学に入学し、いわゆる「虫屋」になることを目指すが、本物の「虫屋」との出会いで、これは無理と早々に断念。以来、主に野鳥を見ることにすっかり魅せられ、広島、北海道、カリフォルニア、福岡と転々とする間も多くの魅力的な鳥たちとの出会いを堪能させてもらっている。
「脳の世紀」といわれるようになって久しい。その言葉どおり脳についての私たちの知識は飛躍的に広がってきました。しかし、分子から個体という観点から見直した時、私には、どうしてもミッシングリンクがあるように感じられてなりません。今世紀の分子生物学の進歩がもたらした最先端のツールを用いることで、どんな分子が神経活動に、さらには記憶の形成に重要かということがはっきりしてきました。また、近年特に顕著な発展をとげてきた、脳の非侵襲計測法によりもっとも深遠な謎とされてきた、人の精神活動にともなう神経活動の実際をまのあたりにすることができるようになりました。しかし、その一方で、分子の集団が作り上げる緻密な神経回路が、どの様にはたらくのか。また、非侵襲計測法で可視化された領域で神経回路がいったいどのようにふるまっているのかについてはまだ、ほとんど謎のままです。神経回路レベルの研究には未だにこれといった特効薬はないのです。多くの実験家、理論家がそれぞれの方法でまさに手探りの状態で難問に取り組んでいます。私もその一人としてあれやこれやと頭と体を駆使して研究生活を楽しんでおります。

いかがですか、あなたも私たちと一緒にこの魅力あふれる自然の謎解きに参加してみませんか。

もっと詳しく知りたい方へ
スライド、この一枚

 研究の第1の目的は、カエルの視覚性行動の中枢である視蓋の機能的、構造的原理を明らかにすることである。これまで、電流源密度解析法という手法を用いて、カエル視蓋で視覚入力がいつどこで処理されていくのか、またそれらがどのような情報を処理しているのかを明らかにしてきた。また、その結果に統計的手法の主成分分析法を適用することで、主に3つの神経集団が視覚情報処理に関与していることを示すことができた。

現在、これら主成分の実体を明らかにするために、視蓋神経細胞の形態的パラメータを同様に主成分分析し、両者を比較する試みを行っている。これにより、一見複雑で混沌として見える視蓋の中に隠された、その構成原理が明らかにできるのではないかと考えている。
第2の目的は、この視蓋により制御されているカエルの逃避行動や餌取り行動発現の神経機構を明らかにすることである。現在は特に接近してくる物体に対する逃避行動に着目して研究を進めている。コンピュータグラフィックスを用いて、カエルに様々な時間経過で接近する視覚刺激を提示し、発現する逃避行動を詳細に画像解析する。これにより、逃避行動が接近する網膜像の大きさを計算して発現するのか、あるいは、衝突までの時間を計算して発現するのかを調べている。

カエルの視蓋には、視野とほぼ一対一に対応した大変明瞭な地図が存在することから、物体はその上で、網膜上で見られるのと同様、近づくにつれ急速に大きくなるという特徴的なパターンで拡大すると予想される。これが、逃避行動発現の最も重要な要因であると考えられるが、その時、視蓋の地図の上でどのような神経活動が起こっているのかを明らかにするために、その時空間パターンを5行5列の多点電極列で測定するという新しい試みも行っている。

この事で、網膜視蓋投射地図上での、接近する物体に対する神経活動の動的表現の全容を初めて明らかにできると考えている。
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