日本語版 go english
JT生命誌研究館 目次 科学者の一覧 物語マップ 検索マップ コミュニケーションルーム
遺伝学 進化学 細菌 植物 四国、中国
  種を越えて転移/感染するオルガネラのイントロン
顔写真
氏名   大濱 武
name Oohama Takeshi
e-mail ohama@env.kochi-tech.ac.jp
住所1 高知工科大学  物質環境システム工学科
住所2 高知県土佐山田町
telephone 0887-57-2512
facsimile 0887-57-2520
住所3
おおはま・たけし / 名古屋大学理学研究科の修士時代のテーマは5S rRNAからみた多細胞動物の起源と系統関係。その後、博士課程/助手時代のテーマは遺伝暗号の変異の特性とtRNA について。NIHでのセレノシステインtRNAの研究を経て平成6年から生命誌研究館に。生命誌研究館でのテーマは、細胞共生/キメラ化による遺伝子の水平移動やオルガネラ性イントロンの種間移動について。

 生物が持つ機能を、進化的な 視点から、その存在理由を考えてみるというスタイルがどうも好きらしい。進化的な観点にとって、集団遺伝学は非常に重要であることは理解しているが、数学が性に合わないので、集団遺伝学は理解していない。あまりにも、さまざまな因子が絡み合う系は、途中でメンドウになってしまうので、これも回避。性格的に、源氏物語のような壮大なスケールのものはとても書けない。ショートエッセイぐらいの山。タマネギと鳥肉は食べないが、アイスクリームは常に実験用フリーザーにストックしてある(1日に2個まで)。単車は好きだが、まだ大型バイクの免許を取っていない。言うことが、自分の都合の良いように変わると時々院生諸氏にクレームをつけられるが本人は未だに自覚なし。
 生物実験の分野は天才的な人でないかぎり、運がつきまとうし、一人ではできない。研究好きであることも必須だが、人間好きであること、楽天的である事も大事な要素だと思う。人生はコントロール実験をとれないから、何正しいのか結局わからないとは、恩師の金言ではあるけれど。イヤ、私が犯した判断ミスは、1つや2つでは無い。実験は楽天家であれば何度でもやり直しが効くから、人生を考えるよりは楽なもんです。
もっと詳しく知りたい方へ
スライド、この一枚
  ミトコンドリアや葉緑体のゲノムには、group I やgroup IIと呼ばれるイントロンがある。これらは、核ゲノムのスプライソゾームによって切り出されるイントロンとは異なり、複雑な立体構造を持ち、セルフスプライシングが可能である。また、これらのイントロンのなかには、その領域中にORFが見いだされることがある。
 ミトコンドリアゲノムでは、最も保存性の高い遺伝子であるcox1がもっともイントロンに富む。色々な藻類のcox1遺伝子中見つかるイントロンを調べると、i) イントロンが挿入されている部位はcox1遺伝子中に一様に広がっているのではなく、いくつかのホットスポットに限られること。このような、ホットスポットはcox1遺伝子中でも疎水性の高いアミノ酸を多く含み非常に保存性の高い部位であると、ii) ホモロガスな部位に挿入されているイントロン同士はその立体構造が似ており、イントロン内部のORF を使って系統樹を作成するとクラスターを形成すること、iii) ある種のcox1遺伝子でイントロンが見つかったとしても、その近縁種で同種のイントロンが見つかることは稀であること、iv)種内であれば海域を問わず、どこで採取されて個体も同じイントロンを持つことがわかった。これらのことから、オルガネラにあるイントロンは時として種を越えて伝搬され、接合を通して種内に急速に広がるが安定して受け継がれることはなく、遅くとも新しい種が分岐する以前にはその種から消失すると考えられる。
 我々は、主としてカビがミトコンドリアイントロンの媒介役を果たしているのではないかと考えている。

scientists index top detail back