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遺伝学 進化学 植物学 植物 九州、沖縄
  新しい機能を持った遺伝子の出現
顔写真
氏名   舘田 英典
name Hidenori Tachida
e-mail なし。
住所1 九州大学理学研究科 生物科学専攻
住所2 なし。
telephone 000-0000-0000
facsimile 000-0000-0000
住所3
たちだ・ひでのり/
もともとは生物をエンジニアが機械を理解するような意味で理解したいと考えて生物学の世界に入りました。ちょうどシステム理論とか言うのがはやりのころで、この理論を使えば生物を理解できるに違いないと考えていましたが、実はシステム理論が何か、また生物学が何かも知らないでただ漠然とそう思っていただけのように思います。大学院に進んで、生物がどのように進化してきたかについての理論が有ると聴いて、その理論つまり集団遺伝学の勉強を始めてそのまま今まで研究を続けてきています。
 生物の進化は集団の遺伝的構成が変化することによって起こりますが、この過程には二つの側面が有ります。一つはどのような遺伝的変化が遺伝子に起こるかという問題(突然変異)、もう一つはこの変異が集団の中でどのように広がり生物種の違いを産み出していくかという問題(遺伝子頻度変化)です。集団遺伝学は後者の側面について研究します。具体的には、0)突然変異も含めた遺伝様式が与えられた時、1)それぞれの遺伝子型の適応度、2)集団構造(集団の大きさや地理的構造など)が遺伝子頻度の時間的変化にどのように影響を及ぼすかを調べます。0)は遺伝学の知識に基づいて決めますが、1)や2)はわからないことが多いので、1)、2)を適当に仮定してモデルを作り、その予測と実際のデータを較べることによって、逆に1)、2)に関する推測を行います。このような立場から、現在次の二つのテーマを中心に研究をしています。
  1.「分子進化のほぼ中立モデル」の検討
DNA塩基あるいはアミノ酸レベルの進化に、非常に弱い自然淘汰と遺伝的浮動が働いているという説(遺伝研の太田朋子博士により提唱された)を、理論・データ解析の両面から調べています。植物(スギ科樹木、フタバガキなどの熱帯林樹木、ヌスビトハギなど)の塩基配列データを主に解析しています。
  2.多重遺伝子族の進化
遺伝子重複とそれに続く多様化による異なる機能を持った遺伝子の出現は、生物進化の中で非常に重要な役割を果たしたと考えられます。多重遺伝子族の進化が、どのような条件のものとでどのようなスピードで起こるのかを理論的に解析しています(スライド参照)。
なし
スライド、この一枚
  異なる機能を持った遺伝子が出来るためには、まず遺伝子の重複(遺伝的冗長性)が起こり、一つのコピ-に変化が起こってももう一つのコピ-でもとの機能が保たれるという状態になる必要が有ると考えます。このスライドで○で表されているのが一つの遺伝子族に属する遺伝子で、同じ色の遺伝子は同じ機能を持っているものとします。冗長性のある遺伝子サブグループ(同じ機能を持つ遺伝子群)のなかから、異なる遺伝子が出来てくる様子を→(矢印)で記してあります。一世代当たり新しい遺伝子が出来てくる率をαで表すと、αは近似的に集団中に新しい機能を持った突然変異遺伝子が表れる率(集団サイズ(N)×突然変異率(ua))、集団全体への固定確率(f+)、冗長性の程度(Mq-q1)の積になると考えられます。ここでMqは同じ機能を持つ遺伝子サブグループの平均の大きさ、q1はサブグループが一コピ-しか持たない確率です。このように考えると異なる機能を持つ遺伝子の数k(t)の平均は指数関数的に増加していくと予想されます(線型出生過程近似)。
 実際に計算機の中で遺伝子重複による進化を起こさせてこの近似的予測と較べたのがグラフで、実線が近似的予測、○(赤色)や□(黄色)で表してあるのが計算機実験の結果を表しています。このグラフから、遺伝子重複と多様化の進化が、線型出生過程で近似できることがわかります。さて、この近似式から何がわかるかですが、例えばコピ-数が増えることに伴うコストがなければ集団が大きいほど遺伝子の重複・多様化は早く起こることが示されます。αの式の右辺に出てくる量は、突然変異率、遺伝子重複率や集団サイズなどのパラメ-タを使って表すことが出来るので実測値を調べ、また実際に進化の中でどのように遺伝子重複が起こっていかついてのデータも集めながら、遺伝子重複と多様化の機構について調べていこうと思っています。
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