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21世紀は遺伝子(ゲノム)情報に基づく新しい生命科学の時代だ。現在世界中で進められているゲノムプロジェクトによって、すでに30種を越える生物種のDNA配列が読み取られ、パブリックのデータベースに格納されている。20世紀の生物学は実験・観察が中心の経験的な学問だったが、21世紀は生命の設計図をコンピュータで解読しながら生物のしくみや振る舞いを考える、極めて論理的な学問へと大きくパラダイムシフトがおきるだろう。 E-CELLプロジェクトは細胞全体をまるごとコンピュータ上に構築することを究極の目的として96年に発足した。E-CELLは酵素反応や膜輸送、遺伝子発現などの化学反応をルールとして個々に定義するとそれらを疑似並列に実行し全体の振る舞いをシミュレートする。このE-CELLシステムを用いて、我々は昨年までに127個の遺伝子からなる仮想の「自活細胞モデル」を完成させた(図参照。参考記事Science 284:5411 p80-81)。この細胞はブドウ糖を取り込んで、蛋白質や細胞膜を作り生命を維持するだけの最小の細胞である。また最近ではE-CELLを用いてヒト赤血球細胞のシミュレーションを完成させた。現在ではこのモデルの酵素活性を人工的に阻害することによって、先天性貧血の原因であるG6PD欠損症などの遺伝病における赤血球細胞の状態をコンピュータ上に再現することを試みている。 |
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