生命誌ジャーナル

2015年間テーマうつる

生きものの特性は「膜・複製・代謝・進化」と教科書にあり、私たちもそう考えてきました。しかし、細胞、ミトコンドリア、葉緑体、ウイルスのすべてがもつゲノムを切り口にすると、本質は「複製」と「進化」ではないかと思えてきました。ここから改めて「生きている」とはどういうことかを問うのが今年のテーマです。

ヒトゲノムから
「生きている」を考える

ヒトノムプロジェクトの完了後、技術開発により個人のゲノムが読めるようになりました。この膨大なDNA配列の比較から集団の歴史を知ることができます。さらに近年、化石から取り出した古代ゲノムも解析が可能になりました。進化の研究の進展です。一方、個体では同じゲノムをもちながら様々に分化している細胞から、DNA配列を変えずに遺伝子のはたらきを変えるエピジェティクスが明らかになり、医療にも活用されています。進化と個、生命誌はゲノムから見えるこの二つの時間に注目します。そこから、ヒトという最も身近で興味深い生きものを知る研究です。

ヒトゲノム研究を通して

ゲノムに書き込まれている情報は1次元のDNA配列だけでないことが々と明らかになっています。エピジェネティクス、さらにDNAの折り畳み構造にも重要な意味があるのです。ゲノムを知るには細胞内でのDNAのはたらきを具体的に追う必要があると改めて感じています。