今から約46億年前、地球は太陽系の他の惑星と共に誕生した。最初の地球は、隕石の衝突によるエネルギーのためにマグマのようなどろどろの状態で、隕石に含まれていた揮発性成分が蒸発してできた原始大気で覆われていたが、宇宙への熱の放出で急速に冷却していった。大気中の水蒸気は液体の水になり、原始大洋ができたと思われる。地球上で最古の岩石(約40億年前)には、すでに海が存在していた跡が残されている。
1953年に発表されたミラーの有機物合成実験(註1)以後のさまざまな研究により、アミノ酸など生体を構成する有機化合物が地球上で自然に生じる可能性があることがわかった。宇宙空間でも温度の低い場所では、宇宙塵の周りにできた氷の中で多くの有機化合物ができ、それが地球へと降り注いだ可能性もある。最初の熱い時期は分解してしまっただろうが、温度が下ってからは蓄積しただろう。
有機物は何億年もかけることで原始大洋に蓄積したと思われるが、生成した有機化合物が分解することもあり、どのような化合物がどの程度蓄積したのかは未だにはっきりとしていない。アミノ酸や有機酸は比較的簡単に生成するのに対し、核酸合成の鍵となるリボースが十分量蓄積したかは不明で、RNAが生きものの代謝によらずできたかどうかはわかっていない。
一端RNAができれば、リボザイムとしてさまざまな反応を触媒するため、RNAが今はDNAが担っている遺伝情報も、またタンパク質が担っている触媒作用も担う世界(RNAワールド)があったと分子生物学者の間では当然の事実として信じられている。ただし、RNAが生きものによらず合成されたかは明らかでなく、RNAワールドは非常に危うい基盤の上に成り立っている考えであることも確かだ。 |
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