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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【2012年サマースクール】

2012年9月13日

佐々木瑞希

暑い毎日が続いています。東北生まれ、東北育ちの私にとっては、初めて体験する猛暑の日々です。さらに、夏といえばヒグラシかミンミンゼミの声のはずなのに、あの朝からうるさいセミは一体何だろう…調べてみたら、クマゼミというセミなのですね。北日本には生息していないそうです。

さて、去る8月16・17日の2日間、BRHの夏のメインイベント、サマースクールが開催されました。表現セクターおよび研究セクターの各ラボに、一般の方々をお招きして、表現や研究を体験してもらうイベントです。

私が所属する『ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ』でも、中学生、高校生、大学生合わせて4人が研究に参加してくれました。今回は『3次元でクモ胚を観察しよう』と題して、それぞれが興味を持った体の部位を観察しました。胚に蛍光染色を施し、共焦点レーザー顕微鏡を使って50枚以上の写真を撮影して、これをもとにコンピューターで3次元画像を構成するという、2日間で全て行うのは大変な実験です。

普段ハエの卵を扱っている私にとっても、クモの卵は扱いづらくてすぐに壊れてしまいます。しかし皆さんとても根気強く、不慣れな顕微鏡下での作業も楽しみながら(?)、悪戦苦闘してもらいました。染色した胚は緑色のアクチン、青色の核がどれもキレイに染まっており、丁寧な操作と悪戦苦闘の成果が表れていました。頭部や脚の構造が良く分かるステージや部位を選んでいたようで、特に神経系は興味深い結果が得られ、私も大変勉強になりました。さてこれを3次元画像にするには特殊なソフトを使わなければならないのですが、皆さん簡単な説明を受けただけで自由自在に使いこなし、カラフルでアクロバティックな動画をあっという間に作成していました。そばで笑いながらも、コンピューター世代に驚愕、尊敬、畏怖の念を抱きました。画像をDVDに保存して持ち帰ってもらったのですが、これをご覧になったご家族やお友達はその出来栄えに驚かれたことと思います。

最後に研究内容や結果を発表してもらい、あっという間のサマースクールでした。他のラボや表現セクターにいらした方々も楽しんで頂いたようで、うれしく思っています。皆様ありがとうございました。来年もお待ちしています。

[ ハエとクモそしてヒトの祖先を知ろうラボ 佐々木瑞希 ]

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