生命誌の広場

生命誌は“生命“を基本に置き、最先端の生命科学の知見に基づき、「生きる」について考えています。このホームページを読んで思ったこと、研究館の活動について、みなで語り合う場を設けました。いろいろな方の考えを出し合ってこれからの生命誌につなげていきたいと思います。あなたの考えをお聞かせ下さい。

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みなさんからのご意見

中村桂子のちょっと一言

絵巻の中の人々と私

投稿日:2019.06.14 ニックネーム:j・h

先日、京都国立博物館で開催された一遍聖絵の展覧会に行ってきました。庶民の日常の暮らしも描かれ、社会的弱者とみられる人々やあらゆる身分の人々一人ひとりの豊かな表情も楽しいのですが、絵巻には珍しくところどころに登場する野良犬やカラス、オナガドリ、白鳥や猿など見ていて飽きません。他の絵巻物にはない多くの生きものや、多様な人々の営みに対する視線に何か生命誌に通じるものがあるように感じます。建物、樹々や山々など時代の空気まで伝わってきて絵本好きの私にはたまらない空間でした。この絵巻を見て、800年前鎌倉時代の人々も今生きている私につながっているのねと、とても身近に感じられました。

お返事

投稿日:2019.06.18 名前:中村桂子館長

絵巻の面白さが伝わってきて、観に行きたくなりました。野獣やカラスというのも、とても日常的ですし。絵巻には時間の流れがあり楽しいですよね。ありがとうございます。

中村桂子のちょっと一言

RE:ダマシオと生命誌 

投稿日:2019.06.13 ニックネーム:ミッキー

コメントありがとうございます。まだ理解できていない所が沢山あり、表現が稚拙だった所もあったと感じています。これからも身近に置いて、ゆっくり楽しもうと思います。特に脳神経科学に興味が湧くようになったので、もっと学びたいと思います。

お返事

投稿日:2019.06.18 名前:中村桂子館長

こんなにわからないことがたくさんあり、それを考えることが楽しく、また大切なのに、それをせずにすべてわかったように振る舞う人々が社会を動かしているのは困ったことだと思っています。

中村桂子のちょっと一言

ダマシオと生命誌

投稿日:2019.06.09 ニックネーム:ミッキー

アントニオ・ダマシオの「進化の意外な順序」を読みました。理解は十分ではありませんが、内容は驚きの連続でした。この本に関する中村館長のちょっと一言(3月15日)をベースにさせていただいて、学んだ事、感じたことを箇条書きにしてみました。ご一読いただければ幸いです。

1.「ホメオスタシス」は生命活動の基軸で、この本の影の主役です。ダマシオは「なにがあっても生存し未来に向かおうとするプロセスの集合」と表現しています。確かに庭に生える雑草には、いのちの逞しさを感じます。
「感情」はホメオスタシスの状況が表現(表象)されたものであり、その「感情」が意識、知性、文化の構築に重要な役割を果たすという彼の説は驚きです。
感情といえば大脳の「扁桃体」がすぐに浮かびますが、彼は「内臓(の状態、ホメオスタシスの状況)」が「感情」の始まりだとしています。内臓は、体の中でも進化的に最も古い組織なのだそうです。

2.心の始まりとして、神経系の出現が必要で、外界からの刺激を神経系でマップしてイメージとして捉える能力が“必須”だと言います。したがって単細胞生物は、あたかも社会性のある行動を見せるが、それはホメオスタシスの規則に従っているだけだと言い、ハチやアリの社会性行動も、心を持った結果の行動ではないと言います。生きものは進化の過程のどこかで「心」を持つに至ったが、それがいつかは定かではないそうです。専門家として、彼の“心の定義”はとても厳格です。私はもっと広く捉えて、感情の起源であるホメオスタシスの規則が働いているのなら、単細胞生物(受精卵も含めて)も心を持つと考えたいし、また、そう感じます。

3.生物学的自然主義者サールの唱える「伝統的な心体二元論は間違いである。」を支持するかのように、ダマシオは「脳と身体の間には緊密で永続的な結合がある」と言います。例として、「脳幹」にはa.脳から身体の抹消に向かう神経束と、逆にb.身体の抹消から脳に集まる神経束があります。a.の部分に脳梗塞が発生すると、意識はあるが身体が動かなくなります。逆に、b.の部分に脳梗塞が発生すると“意識がなくなる”そうです。つまり、体からくる神経系から切り離された脳は意識を保てないそうです。驚きです。まさに、心と身体は一体なのですね。

4.ダマシオと生命誌
この本はとても素晴らしく、専門用語を調べながら読むのは、時間はかかりましたが大変勉強になりました。しかし、読みながら何かしら違和感を感じていたのも事実です。最近、その理由に気が付きました。生命誌の感性はヒトを含めたすべての生きものを同一平面、同一円周上に置きます。しかし、ダマシオの感性は生きものをピラミッドに配置し、人間をその頂点に置いて、特別視しています。同じ事実でも、感性や価値観が異なれば見え方は違ってくると思います。
私は生命誌の感性で生きものを見るのが好きです。ダマシオの卓越した神経科学の知識を学び、「ホメオスタシス」を「生きものらしさ」と表現する生命誌の感性をもっと育てたいと思います。よい本をご紹介いただきありがとうございました。

追伸:3.はダマシオのTEDプレゼンテーションも参考にしました。

お返事

投稿日:2019.06.11 名前:中村桂子館長

ダマシオお読みになっての感想、ありがとうございます。
おっしゃる通り、人間中心のところは生命誌と違いますが、脳研究者としてここまで考えているというところに関心を持ちます。それを「意外な順序」と言っているわけですが、生命誌の立場からは意外ではなく、これがあたりまえでしょうと思っています。さまざまな切り口から少しづつ近づき、新しいことを明らかにしていくのが面白いところですので、異なる分野の人の考えを知ることは大事です。

季刊生命誌について

季刊生命誌WEBフォームより

投稿日:2019.06.04 ニックネーム:後世おそるべし

中村先生が好きなので読んでいます。

お返事

投稿日:2019.06.04 名前:表現を通して生きものを考えるセクター・齊藤

 ご回答ありがとうございます。掲載とお返事が遅れて大変申し訳ありません。中村館長にご関心をもって季刊誌お読みいただいているとのこと、ありがとうございます。当ホームページ上の「生命誌アーカイブ」では、中村館長と様々な分野の方との対談記事(TALK)をはじめ、記事の広がりを一覧できますのでぜひまたご覧ください。お考えになったことをまたお聞かせください。

お返事

投稿日:2019.06.05 名前:中村桂子館長

好きって言っていただけると優しい気持ちになれて嬉しいです。季刊誌への注文をお寄せ下さい。

季刊生命誌について

季刊生命誌WEBフォームより

投稿日:2019.06.04 ニックネーム:レフティ

NHK-BSのスペシャル番組で「池内博之の漂流アドベンチャー」という番組がありました.(2019.3.24).その番組で,吉村昭さんの「漂流」という小説があると聞き,ぜひ読みたいものだと,注文したところでした.要するに,絶海の孤島鳥島へたどり着いた話です.
そして更に,番組に出てきた「アホウドリの調査をしている人」,びっくりしました.超有名な長谷川博さんではありませんか?
小生も若ければな~,私も京大迄とは言えないけど,このような研究の道に進みたかったな~と77歳になり死を毎日意識するようになり,人生はなんだったのかと,強く思います.

お返事

投稿日:2019.06.04 名前:表現を通して生きものを考えるセクター・齊藤

 サイエンティスト・ライブラリーに登場いただいた長谷川博先生についてのコメント、ありがとうございます。42年間鳥島に通い、独力でアホウドリの研究と保全に尽くされたという人生、なかなか成し遂げられることではないと思います。先生の生き方はとてもユニークに見えますが、どんな人生も、生きた年数だけ挑戦の連続であり、アドベンチャーである点は同じなのではないでしょうか。

お返事

投稿日:2019.06.05 名前:中村桂子館長

アホウドリと僕の42年間」の取材では、長谷川先生にお話を伺っていてこちらものめり込んでいきました。確かにすてきな生き方ですね。でも…と自分をふり返り、私は私として生きてきたよなあと思うのです。年を重ねるといろいろ思うことはありますが、自分なりにと…

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