チョウが食草を見分けるしくみを探る 昆虫食性進化研究室 尾崎克久

チョウは種ごとに決まった食草を食べます。食草とチョウの進化の関係を、チョウが前脚で植物の成分を知るしくみの解明から追います。

研究内容

アゲハチョウの仲間は、それぞれの幼虫が特定の植物のみを食草として利用するので、メス成虫が正確に植物を識別して、産卵場所を間違えないことが次世代の生存を左右します。それでは、メス成虫はどのようにして数多くの植物の中から幼虫に適した食草を選択しているのかというと、そのヒミツは前脚の先端にある「ふ節」と呼ばれる部分にあります。ふ節には化学感覚子があり、植物含まれる化合物を認識することができるのです。

アゲハチョウのメス成虫は、産卵の前に植物の葉の表面を前脚で叩く「ドラミング」と呼ばれる行動を示しますが、その時に植物に含まれる化合物(味と考えれば解りやすい)を感じ取っているのです。例えば濾紙やブラスチック製の人口葉にアゲハチョウの産卵を促す物質(産卵刺激物質)を塗ってチョウに触れさせると、それを食草であると勘違いをして卵を産んでしまいます。

化学感覚子の中ではおそらく、化合物が結合する受容体と、受容体へ化合物を運搬する結合タンパクを中心とする、「産卵刺激物質受容システム」が働いていると考えられます。このシステムに関与する遺伝子とその機能を解明することで、アゲハチョウの食草転換による進化を解明してきたいと考えています。

メンバー

吉川筧

非常勤顧問吉川寛

尾崎克久

研究員尾崎克久

吉澤靖貴

奨励研究員吉澤靖貴

廣崎由利恵

研究補助員廣崎由利恵

最新論文

論文一覧

Masasuke Ryuda, Delphine Calas-List, Ayumi Yamada, Frédéric Marion-Poll,Hiroshi Yoshikawa, Teiichi Tanimura, and Katsuhisa Ozaki (2013)
Gustatory sensing mechanism coding for multiple oviposition stimulants in
the swallowtail butterfly, Papilio xuthus Journal of Neuroscience 33 (3) 914-924

※ 論文の要旨はこちらでご覧になれます。

アゲハ人工飼料飼育プロトコール

当研究室で使っているアゲハチョウの幼虫の人工飼料のレシピです。

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【ご注意事項】

必ずお読み下さい
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年度別活動報告

年度別活動報告書はこちらからご覧頂けます。

これまでの学位取得者とそのテーマ

平成18年度 修士論文 山田 歩
「アゲハチョウの産卵刺激物質受容システムの解明」
平成19年度 修士論文 宇戸口愛
「アゲハチョウ産卵機構における受容体遺伝子PxutGr1の機能解明への取り組み」

このラボから生まれたジャーナル記事

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チョウの幼虫が食べる植物(食草)は種ごとに決まっています。葉っぱを認識するしくみと葉に含まれる産卵刺激物質との対応を調べれば、チョウの種分化の物語をひもとけるかもしれません。

季刊「生命誌」46号
サイエンティスト・ライブラリー:DNAのふえ方から見えた生きものの姿 吉川 寛

チョウ好き、それもイモムシを育てるのが好きで、アゲハチョウをカンアオイで育てたらギフチョウ風になったという話はどう見てもBRH向き。もっともこれは家での研究で、大学では枯草菌でのDNA複製という分子生物学の重要テーマで見事な成果をあげました。

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季刊「生命誌」32号
リサーチ「チョウと食草をつなぐ味覚」

モリモリ葉っぱを食べるチョウの幼虫の食欲のすごさをご存知の方も多いでしょう。これも、雌チョウが、幼虫の好んで食べる葉っぱを見分けて卵を産み付けているからです。

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