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今号テーマ

生きるを支える遊び

辛いことの多かった一年でしたが、やはり生きものを見つめながら考えてきました。対談は、研究が表現を含み高度な遊びにもなっているのが羨ましい杉原先生。数学がこんな形で脳、そして人間の解明につながっているとは思いもしませんでした。リサーチは、代謝を通して見るロバスト性と発生から見る左右非対称性。決定論で考えてきた生物学が生きものらしさを知る研究へと動いています。大事な遺伝子を壊しても生き続けるなんてと思ってもそれが生きものなのです。サイエンティスト・ライブラリーの松沢哲郎さんはチンパンジーを通して人間のこころを解き明かそうと35年。実験と観察を組み合わせた着実で総合的な研究法は登山経験から学んだとのこと。ここでも遊びが生きています。生きものは面白い。人間はとくに。改めてそう思っています。(中村桂子)

TALK

数学の眼で人間のものの見方を解く

杉原厚吉明治大学大学院特任教授
中村桂子JT生命誌研究館館長

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SCIENTIST LIBRARY

松沢哲郎京都大学霊長類研究所 所長

初登頂の精神で心の進化を見つめる

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生命誌の広がり

生命誌と関わりながら、新展開に挑戦する方の活動を紹介した2011年度の連載です。

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2011年年間テーマ

遊ぶ

愛づる、語る、観る、関わる、生る、続く、めぐる、編む・・・こうして並べると生きもののさまざまな面が見えてきます。東日本大震災とそれによって起きた原子力発電所の事故があった今年は、「生きる」についてこれまで以上に真剣に考えなければならない年になると覚悟をしながら、「遊ぶ」としました。生きものは精密でありながら遊びがあります。「いい加減さ」「ゆらぎ」と言ってもよいかもしれません。しかも私たちは、「遊びをせんとや生まれけむ」なのです。真剣に考えるということは、もっと「遊び」を大切にしようということかもしれないと思っています。合理の権化である機械にも遊びが不可欠です。いつも言葉を決めたら辞書を見ます。「遊ぶ」もたくさんの意味がありました。

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レクチャー

4/20(土)14:00〜

オサムシからイチジクとイチジクコバチ