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世界観の一部

6-3 館長、顧問のご挨拶

6-3 館長、顧問のご挨拶

ようこそBRHへ!館長、顧問から皆様へのご挨拶です。


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ごあいさつ 「ようこそBRHへ」

 今年は準備室を開いてから20年、これまでを振り返りこれからを考えようと、これまでに書いた「ようこそ」を読み返してみました。生命誕生から38億年間連綿と続き多様化してきた生きものの歴史を読み解き、その中での人間の生き方を考えるという基本は変わっていませんが、具体的なテーマは少しづつ変化し、周囲との関わりも変わってきているのがわかります。そして昨年は、“自然の大きさを感じ謙虚にならなければならないというメッセージが外から送られてくるようになった感じがします”と書きました。
 そこへ3月11日の東日本での大きな地震と津波、それによる原子力発電所の事故です。まさに自然の大きさを実感すると共に、くり返し聞かされてきた「科学技術立国」とは何だったのだろうと考えこまざるを得ない実態を見せつけられました。
 報道される災害の凄惨さになんと理不尽なと思いながら、なす術はおろか語る言葉さえない無力さに打ちのめされました。その中での、被災された方たちの強さと柔らかさにはただただ頭が下がり、大地に根ざした人間の力を感じました。「何もかも失ないましたけれど人の絆があります、経験と技術があります」などと語る表情のなんと魅力的なことでしょう。ゴシャゴシャになった頭を整理すると、結局生命誌としては、自然・生命・人間・科学・科学技術という基本を地道に考え続けることが大事というあたりまえのところに落ち着きました。
 実は今年は、思い切って「人間」を考えてみようと思っていました。昨年まで、上陸に向けてきた眼を次はどこへ向けようかと考えた時、自ずと浮かんできたのが人間だったのです。難しいけれど、生命誌からの人間観を少しづつでも組み立てて行きたいと思っていたのです。そして3月11日です。
 それ以降、新しい日本を作っていく基本は生命誌ではありませんかというメールやお電話を何人もの方からいただきました。ありがたく思い、ほんの少しでも人間のことを考えてみようと改めて思った次第です。
 少々面倒なことを書きましたが、大声を出すのは苦手なので、日常は生きものの面白さを楽しむ活動をしながら、ゆっくり考えます。是非遊びにいらして下さい。きっと何かを感じていただけると思います。また今年はホームページを更に充実しますので、ここも訪問して下さい。そして書き込みをたくさんお願いします。訪れて下さること、さまざまな形で参加して下さることが何よりもありがたいのです。今年も何かを御一緒できたら嬉しく思います。

(2011年5月2日 JT生命誌研究館館長 中村桂子)

著書リスト 著書
  ●『生きもの上陸大作戦 ー絶滅と進化の5億年ー』
 (PHPサイエンス・ワールド新書)
●『「生きている」を考える』(NTT出版)
●『「子ども力」を信じて、伸ばす』(三笠書房)
●『見てわかるDNAのしくみ』(講談社ブルーバックス)
●『生命研究のパイオニアたち』(化学同人)
●『いのち愛づる姫』(藤原書店)
●『「生きている」を見つめる医療』(講談社現代新書)
●『ゲノムが語る生命−新しい知の創出』(集英社新書)
●『自然はひとつ』(実教出版)
●『生命の未来を語る(本庶佑との対談)』(岩波書店)
●『鶴見和子・対話まんだら 四十億年の私の「生命」』(藤原書店)
●『「生きもの」感覚で生きる』(講談社)
●『生命誌の世界』(NHKライブラリー、日本放送出版協会)
●『生命科学者ノート』(岩波現代文庫)
●『生命科学』(講談社学術文庫)
●『科学技術時代の子どもたち』(岩波書店)
●『生命のストラテジー(松原謙一・中村桂子)』(ハヤカワノンフィクション文庫)
●『ゲノムの見る夢』(青土社)
●『ゲノムを読む −人間を知るために−』(松原謙一・中村桂子)(紀伊國屋書店)
●『あなたのなかのDNA − 必ずわかる遺伝子の話』(ハヤカワ文庫)
●『自己創出する生命』(ちくま学芸文庫)
●『生命科学から生命誌へ』(小学館)
●『いのちの海』(人文書院)
●『生命誌の扉をひらく』(哲学書房)
●『生命科学と人間』(NHKブックス)

訳書
●『やわらかな遺伝子』(共訳) (紀伊国屋書店)
●『脳の時計 ゲノムの時計』(共訳) (早川書房)
●『ゲノムが語る23の物語』(紀伊国屋書店)
●『二重らせん』(江上不二夫・中村桂子共訳)(講談社文庫)
プロフィール JT生命誌研究館館長
東京都出身。1936年生。理学博士。東京大学理学部化学科卒。同大学院生物化学修了。
三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任。
1993年−2002年3月までJT生命誌研究館副館長。

   
中村桂子の「ちょっと一言」

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