1-1 季刊「生命誌」

カードを楽しみ、細かな内容はWEBで読むというユニークな組み合わせの季刊誌です。

2008 60 57 59

生きものは38億年続いてきた
TALK 対話を通して
動きと関わりが生命を続かせる
河本英夫 東洋大学文学部教授
中村桂子 JT生命誌研究館 館長
RESEARCH01 研究を通して
頑健さを支えるしなやかさを計測する
守屋央朗 科学技術振興機構 さきがけ

RESEARCH02 研究を通して
多様な細胞分裂様式から見る植物の進化
嶋村正樹 広島大学大学院理学研究科

SCIENTIST LIBRARY 人を通して
生命現象の基本に“ゆらぎ”を発見
柳田敏雄 大阪大学大学院教授

 生きものは38億年続いてきた。
 もちろんこれは一つの個体が続いたことを意味しません。進化の中で、多様なものが生まれ死にながら続くという戦略をとったからこそ、これだけ長い間続いてきたのです。この特徴を「区切る」という言葉で表現し、それが触覚や運動の重要性につながることを指摘する河本さんとのトークは学ぶことの多いものでした。
 リサーチは、まさに38億年続くという「頑健さ」(ロバストネス)の秘密を細胞システムそのものの中に探ろうとする新しい視点の研究をとりあげました。見えてきたのが脆弱な部分の必要性というのは興味深いことです。これぞ細胞がもつしたたかさと言えるでしょう。もう一つは、進化を細胞分裂という基本の基本のはたらきの変化として捉える研究です。新しい環境の中で続くには、基本部分にも細かな工夫が見られることがわかり、なるほどと思います。
 サイエンティスト・ライブラリーは、機械とは違う生物の基本原理を探ろうという壮大な望みをもち、工学部から生物学に移った柳田敏雄さん。装置を工夫し、分子を見ることで定説を破るところは壮快です。


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年間テーマ続く 生きているとはどういうことか考えようとするなら動詞でなければならない。そう気づいてこれまでに「愛づる」、「語る」、「観る」、「関わる」、「生る」という切り口で考えてきました。生きもの研究は本当に多様で、一つひとつを見ていると、形にも生き方にもそれぞれの特徴が見えて楽しいものです。一つの細胞である卵からそれぞれの生きものに特有の姿、形ができ上がっていく発生過程にも、カエルにはカエル、クモにはクモ、決して同じではない独自性があります。何故そんな風にやるのと聞きたくなるほどです。しかし一方で、どの生きものにも共通するところがあります。その基本が「続く」です。生きものとは続くものであると言っても過言ではありません。

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生命誌年刊号
『続く』生命誌年刊号 2008
(A5版・292ページ)
定価:1,600円(税込)
発行:JT生命誌研究館
発売:新曜社
発行日:2009.06.20
『続く』生命誌年刊号 2008  中村桂子 編集
季刊「生命誌」57号〜60号を一冊の本にまとめました。

今年は、読みやすさを考えて縦組みの編集としました。
大きさも持ち運びに便利なA5版です。

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