表現スタッフ日記

表現スタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

2017年1月16日

琴線に触れる

村田 英克

「水と風と生きものと」という映画をつくらせていただけたこと、そして映画を上映いただき、ご鑑賞いただけていることについて、ほんとうにありがたく思っています。この映画をつくった動機とは、生命誌研究館を広く知らせたいというものです。しかし、誤解しないでいただきたいのですが、宣伝でも広報でも情報発信でもありません。生命誌研究館を扱った映画を映画の歴史の中に存在させたいと思ったわけです。本作を企画した私は、長年に渡り、生命誌研究館での仕事として、表現を通して生きものを考えることを続けて参りました。そのミッションは「生命38億年の時間がゲノムDNAとして、今、あなたの体をつくっている細胞の中に入っています。ここから“生きている”ことを探り、どのように“生きる”かをよく考えることができるようにする展示や本や映像など…の表現を行いなさい。」というものです。このようなことを日常業務として毎日をおくることのできるものは果報者です。これに報いる方法はただ一つ、生命誌研究館での臨場感あふれる出来事を通して、その本質や面白さを誰かに伝えることです。私には、そのためのもっとも優れた媒体は映画表現であり、その主題は、生命誌を提唱した中村桂子館長であると思え、それが「水と風と生きものと」になりました。私はこの作品を「中村桂子さんたちと生命誌の面白さを、百年後に送る映像のお手紙」だと申しております。

百年後に送る映像のお手紙にしたいと思える方が、もうお一方あります。昨年末に中村館長も「ちょっと一言」で紹介してくださった、長岡京室内アンサンブルの森悠子先生です。森先生を知ったのはやはりスクリーンを介して、「水と風と生きものと」をお願いした藤原道夫監督の前作「自尊を弦の響きにのせて」で、チェリストの青木十良先生と演奏に取り組む姿でした。その後、「水と風と生きものと」ではエンディングクレジットにモーツァルトの演奏曲を提供してくださいました。森先生は、本作を京都の映画館でご覧になった後、壁にかけられた「生命誌マンダラ」を見ながら「私の音楽は曼荼羅なのよ」と話しておられた笑顔は忘れられません。

生命誌は、今年、「和」という一字に、動詞の「あえる」「なごむ」「やわらぐ」という大和言葉を重ねて考えることにしました。このことを、先日、森先生にお話ししたところ、まさに琴線に触れたようです。まだ先のことですが、2017年は6月に長岡京室内アンサンブルを生命誌研究館にお招きしての公演を予定しています。高槻での生命誌と長岡京の合奏から何が飛び出すのか、どうぞお楽しみに。

2月には大阪と京都で、「結成二十年 新しい時代へ」と題された長岡京室内アンサンブル公演が予定されており、ここでの演奏曲の一つ【モーツァルト/カッサシオン ト長調 K.63】は、「水と風と生きものと」のエンディング曲です。以下、長岡京室内アンサンブルに関する関連リンクです。ご関心のある方どうぞ。

<関連リンク>
1)次回の長岡京室内アンサンブル公演
http://www.musiccem.org/

2)長岡京室内アンサンブル東京公演(2016.11.7])You Tube配信
【グリーグ/組曲「ホルベアの時代から」(ホルベルク組曲)Op.40】
https://youtu.be/w2YsrifEUP4
【チャイコフスキー/弦楽のためのセレナード ハ長調 Op.48】
https://youtu.be/pTxN6o74fkE
【ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意への試み」作品8より《四季》】
https://youtu.be/B1xWAXtXKls

3)雛形「長岡京室内アンサンブルの音楽と言葉」(写真家 大森克己)
https://www.hinagata-mag.com/column/14412

4)「マンダラを生かして新しい美しさを」2016.12.1(ちょっと一言 中村桂子)
http://www.brh.co.jp/communication/hitokoto/2016/post_000023.html

5)「長岡京と高槻」2016.11.15 (ちょっと一言 中村桂子)
http://www.brh.co.jp/communication/hitokoto/2016/post_000022.html

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