表現スタッフ日記

表現スタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

2015年1月15日

「ひつじ」の新年に、新刊の『ひらく』を

藤井 文彦

新年が明けてから2週間ほど経ちますが、明けましておめでとうございます。まさにこの日記がWebにアップロードされるであろう日(1月15日)に、年刊号(書籍)の新刊『ひらく』が書店に並びます。いつもの年刊号に比べて、20周年を記念しての今回は、割とデラックスになったのではないかと自負しています。

今回の製本の骨子になっているのは、コデックス装という技術です。背表紙がなく糸で綴った部分がそのまま見える状態になっており、ひらいたページを手で押さえることなく大きく「ひらく」ようになっています。タイトルをカタチに反映させたわけです。大きく「ひらい」たからこそ、文字を真中に寄せることができ、左右のページにまたがる大きな写真や図柄を使うことができました。結果、見開き全体がより一体感のある構成に成ったと思います。加えて、表紙の表裏には蝶の図柄をあしらい、ページをひらいて表紙を見たとき、蝶の羽が「ひらい」て見えるよう工夫しました(下図の左上)。蝶がひらひらと羽ばたく様と、「ひらく」の音の重なりをイメージしたものです。これも背表紙がないコデックス装だから成せる表現でしょう。

さて本文は、南米のチリ・ナパリーノ島から東アフリカのタンザニア・ラエトリまでを辿った関野吉晴さんと中村館長の対談から始まります。ちょうど生命誌研究館が始まった20年前にもお二人は会っていらっしゃったそうです。だからでしょうか、並んで笑っていらっしゃる姿がとても自然です(下図の右上)。そして10の記事が並んだ最後には、免疫学から脳科学へと研究の場を移された利根川進先生にご登場いただきました。朗・強・知が同居した利根川先生のお人柄が、左右のページにまたがる大きな写真に表れています(下図の左下)。

本文はいつもより少ないページ数でしたが、そのぶん付録を充実させました。生命誌研究館の20年の歩みを時系列で紹介するとともに、季刊『生命誌』の20年分の表紙デザインと、サイエンティスト・ライブラリーにご登場くださった78名の写真をアーカイブとして配列しました。さらに、生命誌研究館の日常を綴るドキュメンタリー映像をDVDとして付けました。加えて、生きもののシルエットとそれらの塩基配列あるいは原腸形成の模式図を重ねることによって、生命誌研究館に現在あるラボの主要な研究成果を表現しました(下図の右下)。

例年どおり本書を全国の図書館や教育機関に寄贈するとともに、今年は高槻駅前にある大垣書店で書籍フェアを行ってもらえることになりました。研究館の活動をより深く理解してもらうと同時に、まだ研究館を訪れたことのない方々に、ぜひ研究館の存在と活動を知ってもらいたいという思いからです。これらが実現出来たのも、製本の際に鷺草デザイン事務所と泰和印刷の皆さんに、確かな技術と面白いアイデアをいただいたからです。ありがとうございました。

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