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研究館より

表現スタッフ日記

2024.03.15

舞台装置係

今年に入ってから、プライベートで今まで勉強しなかった分野の知識が必要になってしまいプログラミングやら高校物理から勉強をやり直したりしています。1年前はエントロピーって何…?程度の知識だったのですが数ヶ月勉強していくと前より何もわからなかったシステム生物学やパターン形成が前より理解できて楽しいこともあったりします。このような難しい壁に当たった時に小田研究員のこの記事を思い出します。

「なぜ人は冒険をできるのか時々考えます。無我夢中になること、時間と体力があること、他人に依存しないこと、周りが寛容なこと、理由はいろいろあります。結果が出て初めて、やったことの正当性を示せるのが研究です。」
季刊「生命誌」100号 ゲノムに進化の向きを見出し、物理法則で説明したい。 小田広樹

JT生命誌研究館を知ったきっかけがこの記事なのですが、ここで過ごしてみて他者を一番惹きつけるものは「楽しそう」なのだなと再認識しつつ、今になってこの言葉が刺さります。いざ自分が楽しむためにはAの知識が必要で、Aをもっと知るためにはBが必要で、Bを学ぶにはCの技術が必要で…のようにいくら時間があっても足りない1日が48時間あって欲しいなと思いつつ、結局目の前のことを一つずつ丁寧に片付けるしか無いのだなと身に染みながら。

最近、私はRobert Heindelの絵の重みの描写に心動かされております。生物の鮮度のある水の重み、無機物の正しい重み、空気の軽さ。これら全部が自分には無いことに焦りを覚える中で、作品はコミュニケーションに似ていると思いました。人を惹きつけるような、楽しそうに話す作品もあるし、自分を着飾ろうとし周りが見えない作品も、独り言のような作品もあっていいと思います。絵を描く時に思うのは、私にはそういう想像力が足りないなということです。

1年後の自分はどうなっているのか今はイメージできないけど頑張ります。まずは体力作りの走り込みから。