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今号テーマ

昆虫と植物のかけひきの妙

生命誌研究館の屋上にある「食草園」というモチーフから「昆虫と植物のかけひきの妙」を追った研究と表現の一年の総まとめです。RESEARCHは、1種対1種の共進化モデルと考えられてきたイチジクとイチジクコバチ。律儀な関係を維持しながらどのように多様化してきたのか? 「匂い」を手がかりにその謎に迫ります。チョウと食草の関わりを食性から探る研究では、光合成によって昆虫に対して「毒」となる化合物をつくる植物と、昆虫の解毒能力との関係という独自の視点から進化を探ります。

それぞれの研究室で考えたこと、季刊生命誌の取材から制作を通して考えたこと、今号のテーマを巡って研究し、表現した一年を、企画展「食草園が誘う昆虫と植物のかけひきの妙」に集約しました。今号の紙面として、改めてそれをまとめています。是非、ご覧ください。

永田和宏館長の語り合いは、秋に開催したシンポジウム「生命誌から生命科学の明日を拓くⅡ」の報告です。オートファジー研究の第一人者、大隅良典先生の基調講演と、館長との対談は、改めて「生きていること」を探る基礎研究の魅力と、その意義を浮き彫りにします。

「生命」という定義からはみ出してはいるものの、私たち「生命」に無関係ではない「ウイルス」という存在を考える今年の紙工作「となりの生命誌」シリーズ第三弾は「ミミウイルス」。ほんとうに「生きている」とはどういうことなのか? まだ答えはありません。一緒に考えていきましょう。

SYMPOSIUM

生命誌から
生命科学の明日を拓く Ⅱ

生命誌研究館・京都大学iPS細胞研究所共催

近年、私たちが経験した新型コロナウイルス感染症への対処は、人類史上、これまでになく科学と社会が緊密になった例だと言えます。この状況下でシンポジウムを開催することに、私は大きな意義を感じています。今日、ご講演いただく大隅先生は、オートファジー研究により2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞されました。そのご研究についてお話しいただきます。このお話から、そして私と大隅先生との対談から、研究に邁進する人間の魅力を十分に感じていただきたい。そして、ご参加の皆さんには、活発な質問をお願いします。JT生命誌研究館館長 永田和宏

RESEARCH

植物の知恵・昆虫の技

陸上生物の9割以上を占める植物と、地球上で最も多様な種数をもつ昆虫。両者のさまざまな関わり合いから、進化の長い時間が見えてきます。

はじめに

EXHIBITION 【企画展】

食草園が誘う
昆虫と植物の
かけひきの妙

研究館の屋上展示「Ω食草園」では、チョウの成虫が蜜を吸う花と、幼虫が食べる植物を育て、チョウの訪れを待っています。本展では食草園を訪れる、私たちに身近な昆虫と植物の間でくり広げられる“かけひき” を特集します。

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papercraft

となりの生命誌・ウイルス❸

ミミウィルス

ウイルスという言葉を聞かない日はない日々が続いています。
ウイルスは生きものの細胞に入って増え細胞を壊して次に移動する存在です。それに対して細胞は、さまざまな防御を編み出し、そのせめぎ合いが、生命誕生以来、生きものにさまざまな影響を与えてきました。1mmの1万分の1以下の小さなウイルスの巧妙なしかけを工作で手にとりましょう。

PAPER CRAFT

CARD

記事のエッセンスが詰まったカード型の読みもの
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シンポジウム

5/18(土)13:30〜15:45

虫の会(拡張版)第三回 「ピン留め」と「退縮」で作る昆虫の鋭い構造