論文

Arimoto, K., Sasaki, A., Su, Z.-H.

Community structure of ants and predatory lance flies utilizing the fig–fig wasp mutualistic system in subtropical islands.

Acta Oecologica 131, 104173.(2026)

解説

亜熱帯の島嶼におけるイチジク・イチジクコバチの相利共生系を利用するアリ類および捕食性クロツヤバエ類のコミュニティ構造
イチジク属植物は、花嚢と呼ばれる壺形の花序を特徴としており、この花嚢は、受粉を行うイチジクコバチを、成長段階において捕食者や寄生者から守る。しかし、特定の捕食者に対する花嚢の防御機能の有効性については、まだ十分に解明されていない。本研究では、日本の琉球列島において、7種のイチジク属植物(Ficus benguetensis、Ficus erecta、Ficus microcarpa、Ficus pumila、Ficus septica、Ficus subpisocarpa、Ficus virgata)の花嚢を餌資源および営巣場所として利用するアリと捕食性クロツヤバエ(lance flies)の出現率と種構成を調査した。

その結果、花嚢の成熟期(D期からE期初期)にかけて調査した434本の木のうち124本から、放浪種9種を含む21種のアリが記録された。放浪種は全観察数の70%を占めており、イチジクの花嚢が放浪種の重要な餌資源を提供していることを示唆した。また、イチジク属の種によって、花嚢上のアリの出現率は異なり18%から63%の範囲を示し、花嚢形質の種間差を反映していると考えられる。また、特定のアリの種が特定のイチジク属宿主で高い出現率を示し、その種構成と個体数は各イチジク種の生育地の特性によって影響を受けているようである。また、花嚢のC期後期からE期にかけて調査した539本の木のうち、147本のF. erectaF. pumilaでハエ1種が発見され、出現頻度は60%を超えていた。このように、アリとハエは、F. erectaF. pumilaの花嚢における餌資源をめぐって競合していると考えられる。





 

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