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20.10.17

オープンラボ企画映像:研究室の日常2 —オオヒメグモが産卵した時間はどうやって調べているの?

オープンラボ企画映像 2020年10月17日(土) オンライン公開



研究室の日常をお伝えします。今回は、オオヒメグモの初期の卵を実験に使う際に、産卵時間を厳密に特定するために行っている方法を紹介します。私たちの研究では動物のからだの軸が卵の中でどのようにできてくるかに注目しています。例えば、産まれて12時間たった卵の中に将来の頭になる部分とか、お尻になる部分とかが決まっているのだろうか? もし決まっているならどうやって決まっているのか? そういう疑問に答えられるような実験を行っています。そのような実験で初期の卵を使う際に成長段階の基準となるのが産卵時間です。オオヒメグモでは人工授精や産卵を誘導するようなことができないために、自然に産まれた卵を実験に使わなければなりません。自然に産むところをカメラで捉えて時間を特定できるようにしています。大学院生に協力してもらってその実験の様子を具体的に見て行きます。


インキュベータの中に卵を産みそうな雌成体の入ったカップ(左側)を並べてカメラ(中央)をセットしています。




カメラは5分に1回写真を撮るようにセットしました。センサーが作用すると暗闇の中でフラッシュが働いたり、自動フォーカスが働いたりするのでセンサーを「マスク」で覆っています。安いカメラですが意外に使えてます。3個体のうち2個体が産卵しましたが、卵を産んだ時間を確認できますか?
 


卵は卵のうに産みつけられています。中の卵をつぶさないように卵のうごとピンセットでとってシャーレに移します。


ピンセットを使って卵のうの包みを開けると卵が入っているのが分かります。約300個の卵が入っています。すべて産卵時間は同じです。



卵をオイルに入れると卵の様子がすぐに見えます。卵黄がブロック状に見えています。この写真は10時05分に撮影しています。この卵はこの時点で産卵から6時間20分後の卵であることがタイムラプスの記録から分かりました。この時期の卵に将来のからだの向きと関連づけられる向きがあるのかどうかは分かっていません。


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