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BRH公開セミナー 「骨形成タンパク質とプロセッシング酵素による形態形成」

詳細

日時

2006/08/07(月)

場所

JT生命誌研究館

出演者

西松伸一郎(川崎医科大学)

内容

「骨形成タンパク質とプロセッシング酵素による形態形成」
日時
2006年8月7日(水)午後15時00分~
場所
JT生命誌研究館
講演者
西松伸一郎(川崎医科大学)
内容

骨形成タンパク質(BMP)ファミリーは、胚の体軸にそった形態形成に関与する。我々は、BMPファミリーのなかで独立したグループを形成するBMP-3bとBMP-3を中心に形態形成における役割を解析している。この2つのBMPは、背側化因子としてBMP-4などの腹側化因子と拮抗して働くこと、さらにBMP-3bはツメガエル胚の頭部形成に関与することを明らかにした(Dev Biol 260, 138-157 (2003))。この頭部形成は、BMP-3b前駆体タンパク質の不完全な切断がOtx2の発現を誘導し、BMP-3b発現細胞を頭部オーガナイザー細胞へと自律分化させる意外なメカニズムで引き起こされていた。ツメガエルのBMP-3bは脊索前板だけでなく尾部神経板周囲にも強く発現する。ごく最近、この BMP-3b前駆体を切断する酵素が、尾側ほど強く勾配を形成するように発現していることを見つけた。プロセッシング酵素によるBMP-3b前駆体の成熟タンパク質への変換機構が、脊椎動物初期胚のHOXコードの確立に関与しているのではないかと予想し検証しているところである。