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イチジクコバチの行動観察と行動実験を体験してみよう

詳細

日時

2022/05/21(土) 10:00 11:30 13:30 15:00 (各回1時間)

場所

JT生命誌研究館

主催

JT生命誌研究館 系統進化研究室

参加方法

※事前予約制
 予定の参加人数に達しましたので受付を終了しました。

内容

イチジク属は熱帯の植物で、世界に約750種、日本では沖縄など南西諸島を中心に16種生育しています。イチジク植物に花粉を運ぶのは、体長約2 mmのイチジクコバチだけで、イチジクとイチジクコバチは「1種対1種」の共生関係で結ばれています。ではコバチはどのようにして自分のイチジクを識別するのでしょうか。5月にはイヌビワ(イチジク属の1種)の花嚢内で冬を越えたコバチが出てきます。ラボ見学とともに、コバチの花嚢への侵入観察、Y字管によるコバチの花選択実験、コバチや花嚢の顕微鏡観察などを体験してみましょう。

●日時 2022年 5月21日(土)
           10:00 11:30 13:30 15:00 (各回1時間)
●場所 JT生命誌研究館
 

※予定の参加人数に達しましたので受付を終了しました。

 

イチジクから出てきたコバチ

 

開催記録

 

5月の生命誌の日の催し
「イチジクコバチの行動観察と行動実験を体験してみよう」
系統進化研究室

参加者のご感想

●様々なことを学べて、とても有意義な時間でした。ありがとうございます。今回の実験で学んだことを高校の生物部のメンバーでシェアしたいので、振り返りをまとめています。

●関心を持っていたイチジクコバチを直に観察でき、とても有意義な1時間でした。
生物の教師をしていたころ、イチジクコバチの話を知り、1種類のイチジクに1種類のコバチがいるという絶対共生に驚き、進化の授業をするたびに、イチジクコバチの話をプリントにして配っていました。多分当時の生命誌館のHPを参考にしていたと思います。
確実に花粉を運んでもらえるが、このコバチがいなくなれば、あるいはこのイチジクがなくなれば、お互いの生存も危うくなるのに、なぜこのような絶対共生に至ったのかというのを考えると、種にとって「子孫を残す」ということが必須だからと単純には考えられず、あれこれ想像してしまいます。
匂い(化学物質)の受容と行動の関係というのも、面白いなと思います。植物が出す化学物質を変えることで、動物の行動を規定する、変化させるというのは、イチジクコバチに限らず、いろいろ興味深い話を見聞きします。
今回の体験で一番面白かったのは、イチジクコバチの触角の動きです。家に帰ってから、動画を見ましたが、拡大されるとさらに面白い。まるで手のように探っていきます。でもそれは、触覚ではなく、嗅覚を働かせているのですね。 退職してから、久しぶりに生物に触れて、やっぱり生物は面白いと思えた時間でした。

●とても興味深く参加させていただきました。 イヌビワが、イヌビワコバチにしかキャッチされない匂いを出して誘っている というのがスゴイと思いました。 イヌビワコバチの孵化に合わせて花嚢の準備をするイヌビワもスゴイです。 どうしてこんなぴったしカンカンの関係を作り出したのか、メチャクチャ不思議だし、自然界の知恵に驚きました。






当日はおよそ40名の方にご参加いただき、
コバチを観察したりお話を聞いたり、行動実験を体験していただきました

このイベントを開催する研究員をご紹介

蘇 智慧 (室長)

  • 研究分野 系統・進化・種分化・多様性 学位
  • 学位 博士(農学)

カイコの休眠機構の研究で学位を取得しましたが、オサムシの魅力に惹かれ、進化の道へと進みました。1994年から現在に至るまで、ずっとJT生命誌研究館で研究生活を送ってきました。オサムシの系統と進化の研究から出発し、昆虫類をはじめとする節足動物の系統進化、イチジク属植物を始めとする生物の相互作用と種分化機構の研究を行っています。

DNAから進化を探る 系統進化研究室 

オープンラボについて

生命誌研究の中心「実験室フロア」で生きもの研究の現場に参加する催しです。
実験を見たり、体験したり、生きものを観察したり、研究員と直接語り合ったり、子供から大人までどなたにも驚きと発見が待っています。