30 年の時間は決して短いとは言えませんが、振り返るとあっという間でした。今回の講演を通して、若い頃の自分や、多くの仲間との出会い、研究に対する考えの変化、研究結果から得られた喜びなどを思い出すことができてまさに感無量です。「研究生活には苦労する時間が多いが、ワクワクする瞬間が必ず訪れる」それを信じて、追求し続けることが、私の研究生活の原動力でした。「歩く宝石」と言われるオサムシの研究から顕微鏡を通してしかその姿が見えないイチジクコバチの研究、そして地球上で最も多様化した昆虫類をはじめとする節足動物の進化を俯瞰する研究まで、楽しく30 年間の研究生活を過ごしてきました。多くの皆さまに今回の講演を聴いていただき大変光栄でした。