21世紀のオーケストラはどのように変わっていくのだろうか。日本におけるクラシック音楽人口はたかだか全人口の1%。今のままでは、日本にはとてもオーケストラ文化は根づかないとの危機感が私たちにはある。

昨年8月30日、アンサンブル金沢の50回記念コンサートに、私たち京都市交響楽団が招かれて演奏する珍しい試みが行なわれた。記念すべき日によその交響楽団を招くということは、その楽団の存在意義を問われかねない冒険である。楽団員からの反発はもちろん、地元ファンの声も気にかかる。しかし、フタをあけてみると、2000席がほぼ満席になり、新聞でもおおむね好意的に扱われた。

アンサンブル金沢は、35〜36人編成の小オーケストラなので、大編成のブラームスやチャイコフスキーはまず聴けない。京響のゲスト出演は、金沢の音楽ファンがクラシック音楽のすそ野を広げることの一助となったかと思っている。

おかえしに、京都の人たちはアンサンブル金沢の繊細な響きを、近々楽しめることになっている。オケ交流は、ヨーロッパでは珍しくない。パリのシャトレ劇場では、ほぼ毎月イギリスのフィル・ハーモニアが演奏している。新しいオーケストラをつくるよりも、このほうがコスト的にもずっと安上がりだし、聴衆にとっても好ましいのではなかろうか。

こうしたオケ交流や、生命誌研究館と共演したサイエンスオペラ(1995年4月)のような異分野との交流を、私たちは積極的に考えていくべきだろう。京都・北山に誕生した新しいコンサートホールは、管楽器の音が後ろの席までよく届き、響きが素晴らしい。ロマン派のブルックナーやマーラー、あるいは音の綾なすドビュッシー、ラベルといった近代の作曲家の音楽も十分楽しんでもらえそうだ。21世紀に向けて、一皮むけた京響のアンサンブルをさまざまな試みを通して皆さんに提供していきたいと思っています。素敵にオーケストラ!素敵に京響!!

葦毛湿原(協力=豊橋市自然史博物館)

(わたなべ・まさはる/京都市交響楽団プランナー)