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BRH WORKS

記録映画

食草園が誘う昆虫と植物のかけひきの妙

 

研究館の屋上には、小さな庭があります。
チョウの成虫が蜜を吸う花と、
幼虫が好んで葉を食べる植物(食草)を育てる「食草園」です。
四季を通じて、さまざまな虫たちがここを訪れ、
植物と昆虫の関わり合いのドラマを演じています。
 

 


 

見なれた蝶々と、
どこにでも生えている草花たちの物語。
まだまだ知らないことばかり…。

生きものの世界の中で、
小さな昆虫たちと植物は、 お互いを利用しながらいのちを支え合っています。
花の蜜と引き換えに花粉を運んでもらう植物、
敵に襲われないよう植物に擬態する昆虫など…
知れば知るほど、 その巧妙に生きるすべに驚きます。
 

 

身近な、小さな生きものたちに、目を向けよう!

映画は、JT生命誌研究館の企画展示「食草園が誘う昆虫と植物のかけひきの妙」にまつわる研究館の日々の活動を、館員の目線から辿るドキュメンタリーです。みなさんも、食草園で生きものの観察を! ナナフシに餌やりを! スクリーンで体験してください。きっと、日常とは違う世界が見えてきます。「虫こぶってどうやってできるの?」「キャベツは、ただ黙ってイモムシに齧られているわけではなかった!」など、身近な、小さな疑問から、好奇心を超えて、深く、探っていくと、さまざまな生き方への共感が湧いてきます。「研究館の日常」は、「生きものの世界」への入り口です。小さな虫や草花の語る物語に耳を傾けていくことによって、長大な生命の歴史の中で、生きもの同士が関わり合いながら培った、豊かな自然、そして、その一員としての私たちの存在を知ることができます。

 

風土が育む
“生きもの” と “人間文化” 
〜2つの対話から〜

映画の中では、ファーブルの『昆虫記』の翻訳者奥本大三郎氏と永田和宏館長との対話、また能楽囃子方大倉源次郎師(人間国宝)と中村桂子名誉館長との対話も取り上げられます。生きものたちの間のかけひきの妙、連綿とした人と自然との営みが紡ぎ出す世界、そして日本の自然の豊かさの恵みが語られます。

Dialogue 1.

奥本大三郎(ファーブル昆虫館館長 仏文学者・翻訳者)× 永田和宏(JT生命誌研究館館長 細胞生物学者・歌人)

Dialogue 2.

大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流十六世宗家・人間国宝)× 中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長・生命誌提唱者・分子生物学者)

 

この映画の成り立ち

科学者として、生活者として「生きていること」を大切にする社会を求めて「生命誌」を提唱した中村の人物像に迫り、東日本大震災の後、科学や芸術の枠を越えて「人間は生きものであり自然の一部である」という思いに共感するさまざまな人々と、自然の中での新しい文明を考えた前作『水と風と生きものと』(2015年公開)に続く第二弾として、JT生命誌研究館のスタッフである村田英克が監督をしました。「生命誌」のコンセプトの下、小さな生きものたちを見つめ、日常を豊かにする知恵を求める旅は、続いています。

 

関連リンク

 

「食草園」特設WEBサイト

 

「食草園」instagram

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