「DNAによる原生動物の系統樹から、キメラの正体を探ります」 「この機械はDNA合成機です」 「走査型顕微鏡で見るためには、翅の表面に金を薄く吹き付けます」 ずらりと並べられたカブリモドキの標本。 質疑応答にも熱がこもる。

「研究員ミニレクチャー」が始まりました。

JT生命誌研究館3階では、5つのラボで日々研究が進められています。そこの5人の研究員がそれぞれ、現在やっている研究についてお話しするというものです。研究員自らがレクチャーすることで、研究の内容や現場の雰囲気を直接お伝えします。

「ミニ」とはいえ、1時間半の講義で、みなさんそれぞれの好奇心を満たして帰られるようです。「ミニ」だからこそ、研究員に対する質問などじつに自由。講義内容も、参加者の顔ぶれを見ながら、研究員が臨機応変に対応します。

第1回は、大濱武研究員。人魚のスライドから始まった、「キメラな生物はどこにでもいる」は個人授業並みの密度で、「ちょっと3階の実験機械でも見にいきますか」というおまけつきでした。第2回は、「チョウのハネはどうやってできるのか?」。吉田昭広研究員は、オオスカシバという蛾の透明なハネの構造から、哺乳動物の腸にまで話を展開し、アンケートでは、「少し難しかった」けれども「興味深い」「感動」「めずらしい」という感想多数。第3回の蘇智慧(スーズィフィ)研究員は、美しいオサムシの標本を見せながら、世界中のオサムシのミトコンドリアDNAを解析することにより明らかになった、進化の歴史をレクチャー。

生命誌研究館の研究って、何?

そう思われたら、研究者から直接発信される研究の世界を、ぜひ覗きに来てください。研究の世界をもっともっと身近に感じていただけること請け合いです。

(北地直子/ 本誌)