進化のタイムトンネルを抜けると、始祖鳥から歯がなくなってニワトリに
画面上でプラナリアをチョキチョキ切ってみよう 子どもに人気のインタラクティブ・ラボ(1階ホール中央)

生命誌研究館の1階ホールに新しいメディア空間が誕生した。「インタラクティブ・ラボ」(写真)。まるでジョージ・ルーカスのSFの名作『スター・ウォーズ』に出てきた、円筒形のロボットR2D2をそのまま大きくしたような形。そのお腹のあたりに、コンピュータのディスプレイがある。

内蔵されているのは、コンピュータを操作しながら進化を体験したり、遺伝子の働きを実験できる双方向型(インタラクティブ)のプログラム・ソフト。来館者は、ディスプレイ上で、質問に答えたり、実験をしてみたりすることで、まるで研究室の中にいるかのような気分を味わうことができる。アニメ、ビデオ、写真などあらゆる素材が、縦横に使われることで臨場感もいっぱい。しかも、内容はそれぞれの研究を行なっている第一線の研究者からのアドバイスをもとに、最先端のレベルを盛り込んで作られている。

生命誌研究館では、来年にかけて二つのソフト「進化の物語」と「発生—形づくりの秘密(仮題)」を制作予定で、今回完成したのはこのうち、「進化の物語」の第一弾だ。

地球上の生命の歴史は35億年以上、40億年に近いのではないかともいわれている。この長い歴史の中で現れてきた多様な生き物たちは、一つ一つが独自の歴史をもっている。「進化の物語」では、チョウ、ゾウリムシ、トリそして切っても切っても再生するのでよく知られるプラナリアの、四つの生き物についてのユニークなストーリーが楽しめるようになっている。

たとえば、プラナリアのプログラムでは、画面を見ながら実際にプラナリアの体を切ってみて、再生する様子を見ることができる。ゾウリムシが凝集したり、接合したりする様子も体験できる。プログラムの最後には、それぞれの生き物の研究を行なっている研究者の先生が、コメントをしてくれる。今年度中に、恐竜などの三つの生き物を追加する予定だ。

生命誌研究館がめざすのは、科学のコンサートホール。第一線の研究者とともに、さまざまな形で科学の世界を発信していく。コンピュータを使った今回の双方向型プログラム・ソフトもその試みの一つだ。制作は、生命誌研究館のコミュニケーション部門と双方向型の英語教材を開発しているNIS(ノバ・インフォメーション・システム)。

科学の世界を専門外の人たちに伝える方法論の研究。それは、実験室での研究とともに、生命誌研究館の大きな研究テーマの一つである。