氷河ソコミジンコを覗く(標高5100mのヒマラヤ・ヤラ氷河で)。

僕は勉強が好きですが、よくわからないのです。ミジンコを飼ったり、淡水魚を飼ったりしていますが、それが研究のほうには向かない理由は、この頭の悪さに起因していると思っています。だから音楽のほうが向いていると思うのです。しかし、生き物は見たり、覗いたりしていると驚愕することがいっぱいあり、なんでもないその生きている姿を見始めると止まらなくなってしまう。

いったいそれはなんだろうというふうに考え始めるのです。でも考えてわかるような頭脳構造はないから、たいていは直感的なもののとらえ方をすることになってしまいます。
「ミジンコは生命が透けて見える」
「ミジンコに愛は通じない」
「ミジンコはミジンコの都合で生きている」
などなど、僕が直感したようなことは、従来の科学の方法や考え方にはないものばかりです。

ま、これは趣味や道楽だから、僕はこれで充足しているのだけど、ミジンコたちを研究している方々と交流させていただく機会には、ずいぶんと面白い話を聞かせてもらえる。

ハルパクチコイダ(ソコミジンコの総称一一僕のバンドの名前でもある)は、1mmにも満たないケンミジンコの仲間であるが、これに陸生のものがいると知った時は驚いた。じつに油断ならない連中がいるものだ。山や林の落ち葉の積もった中の湿ったところに暮らしているから、採集する時は、落ち葉を土といっしょにビニール袋に入れて持ち帰り、それをふるいに乗せて水洗いする。その水をメッシュの細かい網ですくつて、シャーレに入れて調べるという。するとその中にソコミジンコやケンミジンコがいたりするそうだ。

いやはやなんたることだ。とにかく油断ならん。

(さかた・あきら/ジャズミュージシャン)