表現スタッフ日記
2025.12.02
コンポストはじめました
あるとき、中村桂子名誉館長の自宅のお庭にあるコンポストがテレビで紹介されているのを見て、とてもうらやましく思いました。斜面を利用して木枠で作られた大きなコンポストには、ミミズもたくさんいて、上から入れた生ごみが下から土になって出てくる、ということです。我が家は小さな庭はあるものの住宅密集地のためちょっとハードルが高いなと感じていたところ、研究館の食草園で、不織布でできたコンポスト容器が導入されました。「これならいけるかも」と思い、今年の年明けに自宅でも思い切ってはじめてみました。不織布のコンポスト容器は軽くて移動が容易、使わないときはたためる、ファスナーで閉じられるため大きめの虫(例えば台所でカサコソして嫌われがちなGさん)は入らない、など、狭い庭でも導入が容易です。私の住む自治体では、購入費用の半額を助成してもらえるとのことでありがたく申請しました。
はじめたのが真冬だったので、最初は生ごみを入れるたびに土を被せたり、近所のコイン精米機から米糠をもらってきて混ぜ込んだりしていましたが、暖かくなると軌道に乗って、もう毎日果物の皮や野菜くず、お茶がらなどを投入して混ぜるだけです。何より重宝しているのが、揚げ油の廃油をそのまま流し込んでよいことです。
その結果、週2回の普通ごみ回収日に出すごみがとても軽くなり、家族5人で20Lのごみ袋ひとつにほぼ収まるようになりました。コンポストは、植物性のものだけを入れていることもありますが、生ごみ臭は全くせず、当初心配したご近所への臭いのご迷惑はありません。Gさんがいないかわりにミミズもいないのですが、はたらきものの微生物に感謝です。我が家では野菜くずをごみと言わず「微生物の餌」とよんでいます。
自治体の担当部署に助成金の申請にいったとき、ご近所の方にもぜひすすめてください、と言われてふと考えました。できた堆肥を処理できる庭があるとか、家庭菜園をしているような方ならいいかもしれませんが、土は市のごみ回収には出せないため、もともとは回収されたはずのごみが行き場のない廃棄物に変わってしまう、ともいえます。なにかこれを回収して利用できるような仕組みがあればいいのに、と思いました。もちろん、衛生上の観点などからそう簡単ではないことは想像できます。
水分の多い生ごみを燃やすのにはどのくらいのエネルギーを使うのかなと考えると、微生物もCO2を出さないわけではないでしょうが、この小さな庭でも少しは地球温暖化防止に貢献できているかもしれません。おそらくこのページをご覧くださっている皆さまも、日々少しずつ気を遣いながら過ごされているのではないかと思います。ひとつひとつは小さなそれぞれの営みが、いつか大きな流れにつながればよいなと願いながら、今日も微生物に餌をあげています。
はじめたのが真冬だったので、最初は生ごみを入れるたびに土を被せたり、近所のコイン精米機から米糠をもらってきて混ぜ込んだりしていましたが、暖かくなると軌道に乗って、もう毎日果物の皮や野菜くず、お茶がらなどを投入して混ぜるだけです。何より重宝しているのが、揚げ油の廃油をそのまま流し込んでよいことです。
その結果、週2回の普通ごみ回収日に出すごみがとても軽くなり、家族5人で20Lのごみ袋ひとつにほぼ収まるようになりました。コンポストは、植物性のものだけを入れていることもありますが、生ごみ臭は全くせず、当初心配したご近所への臭いのご迷惑はありません。Gさんがいないかわりにミミズもいないのですが、はたらきものの微生物に感謝です。我が家では野菜くずをごみと言わず「微生物の餌」とよんでいます。
自治体の担当部署に助成金の申請にいったとき、ご近所の方にもぜひすすめてください、と言われてふと考えました。できた堆肥を処理できる庭があるとか、家庭菜園をしているような方ならいいかもしれませんが、土は市のごみ回収には出せないため、もともとは回収されたはずのごみが行き場のない廃棄物に変わってしまう、ともいえます。なにかこれを回収して利用できるような仕組みがあればいいのに、と思いました。もちろん、衛生上の観点などからそう簡単ではないことは想像できます。
水分の多い生ごみを燃やすのにはどのくらいのエネルギーを使うのかなと考えると、微生物もCO2を出さないわけではないでしょうが、この小さな庭でも少しは地球温暖化防止に貢献できているかもしれません。おそらくこのページをご覧くださっている皆さまも、日々少しずつ気を遣いながら過ごされているのではないかと思います。ひとつひとつは小さなそれぞれの営みが、いつか大きな流れにつながればよいなと願いながら、今日も微生物に餌をあげています。
室園純子 (館内案内スタッフ)
表現を通して生きものを考えるセクター