中村桂子のちょっと一言
2026.02.03
山口に行きましたーまどみちおの詩で生命誌を読むー
先日、山口市に行きました。子どもたちと一緒に本を読む活動をしていらっしゃるグループからのお誘いです。山口県(現在の周南市)出身のまどみちおさんと結びつけながら、生命誌を語って欲しいとのこと。NHKラジオでの「まどみちおの詩で生命誌を読む」という連続講座を聞いて下さっての御依頼です。
山口県は、詩人中原中也(山口市)、金子みすゞ(長門市)が育ったところであり、お二人共に素敵な記念館があります。ところが、まどさんの記念館はありません。グループの方は、「ぞうさん」があまりにも有名なので、子どもの詩を作る人とされてしまい評価が低いのではないかと残念がっていらっしゃいました。そこで、本当のまどさんを知って欲しいと思って会を持つのですと言われ、お手伝いの気持ちになって、つい遠出をしてしまいました。幸い、市との共催という形で、重要文化財になっている昔の県議会室という由緒正しい場での集まりになり、雰囲気を楽しみました。
まどさんは、生命誌にとても関心をお持ち下さって、科学は直接勉強できないけれど、自然に対する気持ちはまったく同じだとおっしゃっていました。私もまどさんの詩を読むと、同じだと思うことしきりでした。
中原中也、金子みすゞは、そこまでの思いで読んではきませんでしたが、今回「中原中也記念館」を訪れて生命誌との共通性を感じましたし、金子みすゞの「鈴と、小鳥と、それから私 みんなちがって、みんないい」など、生命誌そのものです。
今回はたまたま山口県で育まれた感性・知性が生み出した詩に生命誌との重なりを感じとりましたが、これは山口県だけではないはずです。日本中、いろいろな場所で生まれた文学を、生命誌のコンセプトを持ちながら読むことで、その土地の人とつながることができるに違いない。こういう広がりも面白いな。帰りの飛行機の中で考えました。
まどさんが、一番好きとおっしゃった詩は「ぼくがここに」*です。この世にあるものはすべて、ゾウもマメもあることそのことが大事とおっしゃっています。「ぼくがここにいることこそがだいじ」という言葉はいつ読んでも勇気づけられます。全文をご一緒に楽しみたいのですが、残念ながら著作権上それができません。どこかでお読みになって下さると嬉しいです。
*まどみちおさんの「ぼくがここに」は以下の本に収録されています。
・詩集「ぼくがここに」(1993年)童話屋
・詩集「続・まどみちお全詩集」(2015年)理論社
・絵本「ぼくがここに」(2024年)理論社
山口県は、詩人中原中也(山口市)、金子みすゞ(長門市)が育ったところであり、お二人共に素敵な記念館があります。ところが、まどさんの記念館はありません。グループの方は、「ぞうさん」があまりにも有名なので、子どもの詩を作る人とされてしまい評価が低いのではないかと残念がっていらっしゃいました。そこで、本当のまどさんを知って欲しいと思って会を持つのですと言われ、お手伝いの気持ちになって、つい遠出をしてしまいました。幸い、市との共催という形で、重要文化財になっている昔の県議会室という由緒正しい場での集まりになり、雰囲気を楽しみました。
まどさんは、生命誌にとても関心をお持ち下さって、科学は直接勉強できないけれど、自然に対する気持ちはまったく同じだとおっしゃっていました。私もまどさんの詩を読むと、同じだと思うことしきりでした。
中原中也、金子みすゞは、そこまでの思いで読んではきませんでしたが、今回「中原中也記念館」を訪れて生命誌との共通性を感じましたし、金子みすゞの「鈴と、小鳥と、それから私 みんなちがって、みんないい」など、生命誌そのものです。
今回はたまたま山口県で育まれた感性・知性が生み出した詩に生命誌との重なりを感じとりましたが、これは山口県だけではないはずです。日本中、いろいろな場所で生まれた文学を、生命誌のコンセプトを持ちながら読むことで、その土地の人とつながることができるに違いない。こういう広がりも面白いな。帰りの飛行機の中で考えました。
まどさんが、一番好きとおっしゃった詩は「ぼくがここに」*です。この世にあるものはすべて、ゾウもマメもあることそのことが大事とおっしゃっています。「ぼくがここにいることこそがだいじ」という言葉はいつ読んでも勇気づけられます。全文をご一緒に楽しみたいのですが、残念ながら著作権上それができません。どこかでお読みになって下さると嬉しいです。
*まどみちおさんの「ぼくがここに」は以下の本に収録されています。
・詩集「ぼくがここに」(1993年)童話屋
・詩集「続・まどみちお全詩集」(2015年)理論社
・絵本「ぼくがここに」(2024年)理論社
中村桂子 (名誉館長)
名誉館長よりご挨拶