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研究館より

ラボ日記

2020.07.15

研究停止中です

現在、コロナ騒動の余波で研究活動が止まっています。

昨年の終わりころ、自転車操業的にプラナリアの実験を行なってきましたが、ついには実験に使えるプラナリアの絶対数が不足している事実を自分自身でもごまかせなくなり、今年に入ってから実験を止めてプラナリア倍増計画に勤しんできました。少しずつプラナリアも増え始めたとき、コロナ自粛により研究室に来ることが制限され、さまざまな不運も重なってせっかく増えかけていたプラナリアの9割が死滅するという状況に陥りました。6月より研究室へ来ることが可能となりましたが、実験のためにはここからプラナリアを増やさなければならず、いまはひたすら動物の飼育だけに時間を費やしています。

ただ、実験に追われることがなくなったおかげで妄想する時間が増えました。もともといろんなことを妄想しながら研究をするのが好きなので、実験ができない時間も正直いうとそれほど苦ではありません。カエルとトリの形づくりの過程を比較するモデルについて考えたり、プラナリアの自切(プラナリアは大きくなると自分自身で切れて2個体になります)のメカニズムに関してかなりチャレンジングな仮説を考えたりしています。また、主となる実験はできないのですが、今できる実験を探してやってみたりしています。今できる実験とは、これまでにいろいろとアイデアを練って面白そうなことを思いついていたのだけれど主実験をしている時には物理的にできなかった実験のことで、いまは少しだけ挑戦できる環境だと思い少しずつ試行錯誤してやっています。そういう実験は、期待通りに動けばめちゃくちゃ面白いのですが、まあ、そんなに簡単ではないことは重々承知しています。それでも「この妄想が事実だったらすごいぞ」と夢のような期待をしつつ小さな実験に勤しんでいます。

コロナの問題が収束し、また皆様と生命誌研究館でお目にかかれる日を心待ちにしております。その時には是非、いまおまけでやっている実験の成功談(失敗談?)やさまざまな妄想をお話しさせてください。

橋本主税 (室長(〜2024/03))

所属: 形態形成研究室