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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【次は音づくり】

1998.7.15 

 先回紹介したダンスフェスティバル。8月5日、6日、7日の午後7時からシアターX(カイ)(電話03-5624-1181、東京両国駅ソバ)でいたします。是非のぞきにいらして下さい。舞台には音が必要と思い、元NHKで活躍していらした音響の神様と言われる大和定次さんに生命誌にふさわしい音は何でしょうと伺いました。"作ってみましたよ"というお電話に早速お宅へ。マンションの一室は機械があれこれ、その真中で聴かせていただいた一つは、北の海で氷ができ上がっていく音、割れる音、時には崩れ落ちる音・・・時に水の動きも混ざって、氷一つでこんなにさまざまな音が出るのかと驚きました。
 その後が楽しかった。いろいろな笛をもち出して、スズムシ、マツムシ、スズメ、ウグイス・・・大きさの違うものを使いわければ、ほとんど何でも出てしまうのです。機関車の音づくりも。今は、録音ライブラリーがあって、それでたいていの音は足りてしまうけれど、それでは自分でつくり出す喜び、今までなかった音を工夫する面白さが消えてしまうので残念と言っていらっしゃいました。どこの世界にもそういう問題はありますね。

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