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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【東京にも自然は】

1999.6.15 

 東京というと、テレビを通して伝えられる渋谷や原宿の若者文化、ファッションの先端を行く銀座などのイメージが強く、自然や生物などは皆目ないと思われているキライがありますが、身近な自然は意外にたくさんあります。
 身近・・・ちょっと身近とは言いにくいかもしれませんが、皇居の中は、「生命誌」16号で今森さんが語って下さった里山的自然の宝庫(のはず)です。その他赤坂御所、新宿御苑、浜離宮、なども素晴しい場所です。明治神宮もみごとな森。本来、武蔵野の自然を持っていた場所ですから東京だからと言って自然を捨ててよいものでもないわけですし、自然はそう簡単に切り捨てられるものでもありません。第一、人間自身が本来は自然の一部なのですし。私の住む世田谷区は幸い、23区としては西のはずれでまだ自然を残しているところが多いので、イギリスのナショナル・トラスト制度を参考に世田谷トラストという活動があります。たまたま、お隣が庭の一部を提供なさったので(固定資産税や相続税がかなり安くなるようです)近くに関係の方々が現れることになり、ちょっと野次馬でのぞいています。都会とはいえ、なかなか面白いこともあり、生命誌の広がりとして楽しんでいますので次回で御報告します。

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