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2020.01.13

賢治とハラリ

参照記事「研究館より」

花置人

「宮沢賢治デクノボーの叡智」への書評(毎日新聞)と共に楽しく拝読しました。私も賢治から学ぶことが多く、昨春桜の季節には妻と花巻をゆっくりと旅してきました。

ところで昨年暮れにハラリの「21Lessons」読みました。AIや遺伝子操作などによる「技術破壊」の可能性と対応について論じているのですが、前作の「サピエンス全史」「ホモデウス」に比べると歯切れが悪く、知識豊富な彼をもってしても歴史や未来に比べて今を理解し近い将来を描くことは難しいのかと改めて感じました。

加えて彼の闊達な文を読みながらいつも違和感を抱くのは、「人」と「技術」に視線が絞られすぎて、「自然」にまで眼が届いていないという点です。まさに、生命誌のステージ「わたしの中の自然、自然の中のわたし」の視点が不足しているということかと愚考します。

書評で書かれました「科学技術文明の中で、深く考えることもなく暮らしているところへ自然の大きな力を見せつけられた時、考え始める手がかりとなるのが賢治なのかもしれない。」に私も同感です。今年はハラリが提起した21のテーマをベースに「賢治とともに私たちが希求すべき世界の可能性」を探りたいと考えております。

今年もますますご活躍されますようお祈りいたします。

2020.01.15

1. 中村桂子(館長)

横浜ボートシアターを主宰していらっしゃる演出家遠藤琢郎さんが「困った時の宮沢賢治」とおっしゃっています。いろいろな分野の人がいろいろな形で影響を受けていますね。どこか日本人の気持に添うところがあるのでしょう。おかしな国際情勢である今、日本人として本質を考えることが大事と思うと、そこにも登場しますね。

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