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みんなの広場

生命誌について

2023.05.08

生きものに学ぶ “生きかた” を

参照記事「研究館より」

こうちゃん

私は若い頃よく山を歩いていました。
日暮れ近くになるとテントを張り、真ん中の火を囲んで
仲間と食事し、火を見ながら気楽な話を楽しんでいました。

これは、人が火を使えるようになって100万年続いてきた
共に食事しコミュニケーションする一家団欒の原点です。

 また、近くにテントを張っている人たちがいれば
 互いに笑顔で声を掛け合い、情報交換していました。

今はどうでしょう。

岩村賜子先生(現・大正大学客員教授)は
首都圏に在住する1960年以降に生まれ 子どもをもつ
主婦を対象とした写真と往復アンケートによる信頼性の高い
詳細な食卓の実態調査を2000年頃から毎年実施。
調査結果を勇気をもって公表されています。
 1ツあげますと、ほとんどの家族の夕食は
家族それぞれが好きなものを買ってきて、食べたい時に
食べたい場所で食べている。

 また、家から道に出ると、近所の人がスマホを見ながら
 通りすぎて行く、周囲に気を配ることもなく。
  人と同じ群れで暮らすゴリラやチンパンジーも
 挨拶すると聞くのですが・・・

現代社会の風潮は“個人の尊重”で、これは重要ですが
 かたや、家族やほかの人をつなぐ基盤となる
群れで暮らす生きものの共通の生活習慣もむろん重要。

この点 いまの時代、これからの健全な人の生きかたを
今を生きる“生きものの摂理”から学ぶことも有効で
これからの生命誌研究のひとつのテーマにもなるかなと
 あれこれ想いを巡らせているところです。

社会を動かしている人々も家に帰れば
普通の家庭を持っている人たちがほとんどですし。

2023.05.08

1. 中村桂子(名誉館長)

こうちゃん様

おっしゃる通り、人間としての生活は共食から始まったといわれていますね。火を囲んでおしゃべりしながら楽しい時を持ったのでしょう。その基本単位は家族だったとも。家族とは何かと言われたら、その一つに一緒に食事をする仲間であることが入るでしょう。

館長を退いた時がコロナ騒ぎの始まりと重なったこともあって、三度の食事を決まった時間に家族といただくという生活を続けることになりましたら、体の調子がとてもよいのです。生活の基本ここにありと実感しています。

狩猟採集時代からの歴史を思いながら生き方を考えるというテーマが、今の私の「生命誌」になっています。
                    中村桂子

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