その他
2025.09.05
水様便をしたと思ったのに…
むちむちいもむし
キアゲハ終齢幼虫の1匹が水様便をしたようだったので蛹化用のケースに移動させました。
それから丸一日以上経っても動き回っており,体の張りがなくなってきたので試しに食草を与えたところ凄い勢いで食べ始めました。
ワンダリングならもう餌は食べないはずですよね
水様便をしたと思われる後も通常の便をいくつか出していて不審に思っていたのですが,やはり私がワンダリング前の水様便が出たと勘違いしていたのでしょうか
2025.09.05
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
蛹になる前の水様便はワンダリング(蛹になる場所を探して歩き回る行動)のサインの一つですが、必ずしも下痢状の糞が蛹化のサインとは限りません。
幼虫は、食べた葉の水分が多かったり、何らかのストレスを感じたり、あるいは一時的に消化器系の調子を崩したりしただけでも、水様便をすることがあります。その後、通常の糞をしているとのことですので、今回はちょっとした体調不良だった可能性が考えられます。
ワンダリングに入った幼虫は、体内の食物をすべて排出し終える必要があるため、餌は食べなくなります。すごい勢いで食草を食べ始めたということは、まだ成長の段階であり、蛹になる準備は整っていなかったということでしょう。
ですので、「ワンダリング前の水様便だと勘違いしていた」というご認識で合っている可能性が高いと思われます。
まだ食欲があるようですので、元の飼育環境に戻して、引き続き新鮮な食草をたっぷり与えてあげてください。やがて蛹になる時が来れば、摂食をやめて歩き回り始めますので、その時に改めて蛹化用のケースに移してあげると良いと思います。