その他
2025.09.09
越冬蛹について質問
あげはおばば
はじめまして。アゲハ愛好家の端くれです。高槻やアドベンの食草園や映画など楽しませて頂いております。
早速ですが 短日処理した蛹について御教示頂きたくお願い申し上げます。
日長が13.5hを切りましたので 今年は早めの8月21日に孵化後1~3令程の幼虫を9h〜10h段ボールで短日処理中です。(ナミ、クロ、カラス モンキ)
本日5匹目が蛹化しましたが 先の4匹は越冬蛹特有の色体ではありません。(しっかり黄緑)既に冷蔵庫で保管中ですが 羽化するのではないか心配です。蛹化後の5匹共に短日処理環境は同じですが 越冬蛹は必ずオレンジ色を帯びるのでしょうか?
又 初の冷蔵庫保管ですが 蛹化後すぐに冷蔵庫に入れて良かったのでしょうか?
どうぞ宜しくお願い致します。
追伸 九州北部在住です。
2025.09.12
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
我々の活動をご覧くださり、誠にありがとうございます。アゲハの飼育に熱心に取り組んでいらっしゃるご様子が伝わってまいります。
ご質問の短日処理をした蛹について、私の知見を基にご説明させていただきます。
越冬蛹の色について
越冬蛹の色についてですが、必ずしもオレンジ色を帯びるわけではありません。緑色で休眠している蛹も、実はよく見られます。蛹が緑色だからといって短日処理が失敗した、ということにはなりませんので、ご安心ください。
冷蔵庫での保管タイミングについて
冷蔵庫へ入れるタイミングですが、蛹化後すぐに入れるのは少し早いかもしれません。
蛹になった直後は、まだ外皮が柔らかく、体内の組織も安定していない非常にデリケートな状態です。この時期に急激な温度変化や振動を与えると、うまく羽化できなくなるリスクが高まる可能性があります。
可能であれば、蛹になってから短くても2〜3日ほど、できれば2週間から一ヶ月ほど常温で管理し、外皮が完全に硬くなったのを確認してから冷蔵庫へ移すのがより安全です。すでに冷蔵庫に入れてしまった蛹も、今から取り出すとかえって負担になる可能性があるので、そのまま静かに保管を続けてください。
今後の管理について
九州北部にお住まいとのことですので、無理に冷蔵庫で保管せず、自然の寒さに当てる方法も有効です。ベランダや軒下など、直射日光が当たらない屋外に置いておくのが、蛹にとっては最も自然な状態に近い越冬方法となります。
冷蔵庫で保管を続ける場合は、乾燥しすぎないようにご注意ください。霧吹きで軽く湿らせたティッシュなどを容器の隅に入れておくと、適度な湿度を保つことができます。
今年の冬を無事に乗り越えて、来春きれいな蝶たちが羽化するのを応援しております。
2025.09.24
2. あげはおばば
大変貴重で丁寧な御教示 誠に有難うございました。
心より感謝申し上げます。
蛹の色体について
本日蛹化後の個体も緑色で気落ちしましたが 安心致しました。
冷蔵庫保管について
この暑さで羽化する事を恐れ 冷蔵庫送り?にしましたが 羽化を祈りつつ 適切な管理で見守って参ります。
今後蛹化した個体は 習性を尊重し屋外で命を繋ぐお手伝いを続けて参ります。
重ねてお礼申し上げます。
あげはおばば
2025.10.02
3. たく
自動給蜜について
すぐ下に落ちてしまうアゲハ蝶が2匹出てしまいました。
そちらに以前行かせて頂いた時に、蝶が蜜をすいにくるという装置を見せて頂きましたので自分で似たようなものをつくってみたのですが蝶が蜜を吸いに来てくれません。装置にはUVライトを当てないといけないのでしょうか。宜しくお願いいたします。
2025.10.02
4. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>たくさま
成虫の自動給餌装置については、UVライトを使う必要はありません。
窓から差し込む自然の光や、蛍光灯やLEDなどの白色人工照明でも問題ありません。
ポイントとしては、人の目に「鮮やか・派手・どぎつい」と感じるような、鮮明な色であることです。蛍光色素が使われているプラスチック製品がそのように感じられるので、鮮やかな色のものを使用してください。
使用するプラスチックの色は、赤でも青でも黄色でも効果に違いは無いと思います。