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2026.01.23

アゲハ蝶の蛹が1月に羽化した原因

ロイキング

いつもアゲハ蝶について困ったらこちらの情報を参考にさせていただいています
昨年から越冬蛹と思っていたのにこの1月に蝶になってしまい、何がいけなかったのか知りたくてご質問させていただきます

東京の調布で5年前からベランダの山椒の木にナミアゲハが来て、なるべく手をかけず自然に近い状態で見守っています。(鳥よけや、遠くで蛹にならないようにネットをする位)
毎年春から夏に2、3回幼虫から蝶へ数匹が育っていきます

それが昨年は10月16日に幼虫を2匹発見、一匹は4齢もう1匹は2、3齢で春夏のものよりかなり小さいサイズでした
外の気温も低くなり、もう山椒の葉も枯れ始めているのに成長もかなり遅く、家の中に入れようと思いましたが、若齢の時に越冬が決まるとの事であまり早くに入れて越冬蛹にならなかったら困るのでしばらく様子を見ていました
一匹(兄)が5齢、もう一匹(弟)が4齢になっていた10月30日に山椒の木ごと家に入れました
この後兄は約25日かけて11月13日に蛹になりすぐ茶色になりました。
弟は11月10日に5齢になり28日かけて蛹になりました。色はずっと鮮やかな緑のままでした
12月20日に2匹の蛹をベランダに出して春を待っていました

それが1月11日気温16度の日に弟が蝶になってしまい、慌てて捕まえようとしましたが飛んで行ってしまいました
寒い冬に蝶になり餌もなく本当に可哀想な事をして悔やまれます
どうすればこんな事にならなかったのかアドバイスお願いいたします

追伸 ベランダは東向きで日当たりが良いのと、カーテンをしていますが夜は家の灯りがベランダに漏れていたかもしれません

2026.01.28

1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

見守ってきたアゲハチョウが、真冬に飛び立ってしまったときのお気持ち、お察しいたします。5年前から自然な形で見守り続けていらっしゃること、非常に素晴らしい取り組みです。今回のことは「何かがいけなかった」のではなく、昆虫たちが「それだけ環境に敏感だった」と言えます。

まだ明るいと思った
ご存知の通り、アゲハチョウが越冬(休眠)するかどうかは、若い幼虫時期に感じる「夜の長さ(暗い時間の長さ)」によって決まります。温度はは影響がないわけではないですが、補助的な要因です。

光センサーの敏感さ: 昆虫の光センサーは非常に鋭く、蛍光灯の小さなオレンジ色の明かり(グローランプ)程度の光量や、カメラのフラッシュのような短時間の光でも、日長のリズムに影響を与えます。

室内灯の影響: カーテン越しに漏れる部屋の明かりが、幼虫に「まだ明るい」と誤認させた可能性があります。その結果、体内のスイッチが「越冬モード(休眠)」に切り替わらなかったのかもしれません。ただ、これは個体差もありますので、必ずそうなるというものでもありません。

羽化のトリガー:冬の太陽光
本来なら来春に羽化するはずが、1月の陽気で発育が進んでしまったと考えられます。

太陽のエネルギー: 東向きで日当たりの良いベランダは、冬場でも直射日光が当たれば、蛹の表面温度は発育可能な温度に達することがあります。「越冬モード」に入っていない蛹にとって、日光による温度上昇は羽化を後押ししてしまったと思われます。

幼虫が小さく、成長が遅かった理由
これについては、飼育のミスではありません。秋の終わりは、餌となる山椒の葉の栄養価や堅さなど、餌としての質が落ちることや、気温の低下により代謝がゆっくりになるため、秋世代の幼虫は、発育に時間がかかるのは自然なことですのでご安心ください。

【補足】 蛹の色と休眠について
越冬する蛹は赤っぽくなることが多いのですが、緑色の蛹が休眠している場合もあります。蛹の色(緑か茶色か)は、蛹化するときの場所の「手触り」(物理的刺激)で決まります。ツルツルした場所だと緑になり、ザラザラした場所だと茶色になります。

来シーズンに向けたアドバイス
もし今後、冬に羽化させたくない場合は、以下の2点を意識してみてください。

幼虫の時期: 夜間(日没から日の出まで)は完全に暗くなる場所で育てる。何か遮蔽物を使って、遮光すると安全かも。

蛹の時期: 12月以降に外へ出す際は、直射日光の影響を受けない「北側の壁際や日陰になる場所」に保管し、蛹の温度が上がらないようにしてみてください。

このように「光」と「温度」の両面を管理することで、自然な春の訪れとともに羽化させることができると思います。

2026.01.31

2. ロイキング

尾崎先生、丁寧なご回答感謝いたします。
アゲハ蝶の生命の営みは驚きと本当に尊いものだといつも思います

これからも自然界のアゲハ蝶の偉大さを考えながら自分なりに関わっていきたいと思います
ありがとうございます

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