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生命誌について

2026.03.25

アゲハの寿命について

参照記事「研究館より」

メロディー

ナミアゲハについて調べましたが、解答が得られずここに辿り着きました。こちらから失礼します。
冬を越して欲しかったアゲハが12月の21日暖かい日に羽化して、はちみつをあげて本日、2026年3月25日も生きてくれています。
最初から低空飛行しかできずつい最近まで羽は無事でした。最近は少しずつ羽のかけらが落ち、足は5本〜4本ぐらいに取れてしまいましたが少しずつ移動して、はちみつも2日に1回ぐらいで排泄できたら早めにあげるようにしています。
こんなに長く生きてくれると思わなかったので、生命力にびっくりですし、はちみつの栄養素すごいなと思っています。また以前のように質問箱復活していただけると心強いです。

幼虫の時から一喜一憂です。
頑張って生きてくれているアゲハですが、このままで幸せなのか何が正解なのかもわからなくなりました。何か寿命についてアドバイスしていただけると幸いです。

2026.03.25

1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

12月21日の羽化から今日(3月25日)まで生きているとのこと、驚きの長命ですね。

野外のナミアゲハの成虫は、一般的に一週間程度の寿命と考えられています。我々の研究室で体力の消耗を抑える工夫をしながら丁寧に世話をしても、生きているのはおおむね一ヶ月程度。伊丹市昆虫館では、放チョウ用に作られた温室という快適な環境の中で、マーキングによる個体識別で生存期間を観察した記録があり、そちらでも一ヶ月程度とのことです。それと比較すると、このアゲハはすでにその3倍以上を生き抜いていることになります。

はちみつを与えていらっしゃるとのこと、これが栄養面で良かったのかもしれません。チョウにとってのエネルギー源は糖質が主体ですが、はちみつには糖以外にもミネラルや微量の栄養素が含まれており、それが長命を支えた可能性はあると思います。

「このままで幸せなのか」というご質問、とてもよくわかります。翅が少しずつ欠け、脚も取れてきているというのは、確かに胸が痛い光景ですね。
「幸せかどうか」を我々が判断することは難しいですが、少なくとも「苦しんでいる」という状況ではないと思います。チョウにとって大切なのは食べること・排泄することだと考えられます。2日に1回はちみつを摂取し、きちんと排泄できているとのことは、それがまだ機能しているということです。長生きした個体の翅や脚が欠けていくのは、本来なら昆虫が経験し得ない【老化】という現象と考えることもできると思います。
(昆虫を含めて、野生の動物が老化するほどに長く生きること自体希なことです)

これだけ長生きしてくれたのは、細やかなお世話があってこそだと思います。「正解」を求めるよりも、こんなにも長く生きているという事実が、すでに一つの答えなのかもしれません。

このようなお便りはとても励みになります。これからも、長生きしたアゲハと一緒の時間を大切にしてください。

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