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2026.06.24

シジュウカラの言語

うりちゃん

動物言語学者、鈴木俊貴さんの著書「僕には鳥の言葉がわかる」(小学館)を読みました。シジュウカラの持つ多様な鳴き声にはそれぞれに意味がある。例えば「ツツピー・ツツピー」は縄張り宣言、「ヒヒヒ」はタカ、「ジャージャー」はヘビ、「ヂヂヂヂ」は集まれ、「ピーツピ」は警戒しろ、などさまざまな声を使い分けて自分のヒナや仲間と会話しているということです。そして「ピーツピ・ヂヂヂヂ」は「警戒して集まれ」という意味。驚いたことに2つの単語を組み合わせて文を作っているのです。また著者によるとシジュウカラ科のほかの鳥も言語を持ち、「集まれ」はコガラ語では「ディーディー」、ヤマガラ語では「ニーニー」。シジュウカラはコガラやヤマガラと混群を作りますが、別の種の鳴き声の意味も互
いに理解し合って行動するということです。そうすることで餌の在り処や天敵の接近をいち早く知ることができるのです。我が家では今年も庭の巣箱でシジュウカラが子育てをしました。もっと早くに本書を読んでそのつもりで鳴き声を聞いていたら、シジュウカラの会話の一部がわかったかもしれない。残念なことをしました。古代ギリシャ時代から現代まで、言葉を持つのは人間だけだと言われてきました。でも、そうではなかったのです。本書の一節に「人間には人間の言葉があるように、鳥には鳥の言葉がある」とあります。さらにこれからの研究で、さまざまな生物が人間の考えも及ばないやり方でコミュニケーションしていることが解明されることでしょう。とても楽しみです。

2026.06.28

1. 中村桂子(名誉館長)

うりちゃん様
 鈴木さんのお仕事興味深いですね。森の中でのシジュウカラの会話を解析して、集まれ、危ないなど、生存にとって大きな意味を持つ単語、更にはその組み合わせで話し合っている様子を読んでいると、小鳥の声が聞こえてくるようで楽しかったです。我が家の庭でも鳴いていますので、耳を澄ませています。
 「言葉は人間だけのものと言われてきたけれどそうではない」というのは、ある意味その通りです。動物のコミュニケーションの研究は最近盛んで、音はもちろん光など様々な方法で話が交わされていることが分かってきました。植物のコミュニケーションも面白いですね。
 人間だけが特別と思い過ぎているのは確かです。魚の自己認識の研究などもあって、どの生きものもなかなかのものと思わされることが多いです。まさに、「私たち生きものの中の私」だと実感します。
 ただ、人間の言葉には、コミュニケーションだけでなく、自身の内面に向けて語りかける思考や想像、そこからの創造など独自の面があることも事実です。人間(ヒト)を特徴づける言語のありようは大事であり、AI時代と簡単に言われる中で、「人間の言葉」の持つ意味を真剣に考える必要があると思っています。
生命誌の大事なテーマです。
                         中村桂子

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