1. トップ
  2. 季刊「生命誌」
  3. 季刊「生命誌」62号

今号テーマ

物がめぐると・・・

めぐるの基本は、宇宙、地球、生命体を構成している物質の循環でしょう。なかでも地球の火山活動が供給する二酸化炭素の役割が重要とわかってきたと田近さん。地球凍結という劇的事実を生物進化に結びつけて語ってくれました。このような自然のダイナミズムの中に人間を置くと、少し違う眼が持てそうです。

リサーチは、細胞膜の中での分子のとんぼ返りが、増殖や死など細胞の活動に重要な役割をしているという発見です。細胞膜は、内外を区切りながら物質を選択的に通過させるものと位置づけてきましたが、細胞や個体の行動に大きな役割を果たす驚きの存在です。

BRHをめぐる研究は、昆虫の食べものの好みです。脚先の味覚受容体で味を感じるハエとチョウ。ここでも物質と細胞と個体の行動とが結びつきます。食わず嫌いをなくしたり、さまざまな混合物を識別したり、脚先の遺伝子のはたらきが進化につながる様子が見えてきます。

サイエンティスト・ライブラリーは、30過ぎまで定職がなく親を心配させたという体験をしながら自分で考えることを大切にし、それまでまったく光のあたっていなかった細胞内の液胞のみごとな働きを明らかにした大隅良典さん。こういう生き方もいいなあと思います。(中村桂子)

TALK

劇的に変化してきた地球と生命

田近英一東京大学大学院准教授
中村桂子JT生命誌研究館館長

全文をみる

RESEARCH

研究を通して

細胞膜をつくっているのは、二層に集合した無数の脂質分子。その集団としての挙動に注目すると、細胞の増殖や死、さらに個体の行動まで、階層を貫く重要な役割が見えてきました。

SCIENTIST LIBRARY

大隅良典東京工業大学特任教授

自分を食べて
生き残る細胞に魅せられて

全文をみる

CARD

記事のエッセンスが詰まったカード型の読みもの
カードサンプルを見るカードサンプルを見る




  •  
2009年年間テーマ

めぐる

愛づる、語る、観る、関わる、生る、続く…と続けてきた動詞で考える。今年は「めぐる」です。回る、廻る、巡る。地球全体で水や炭素などの物質がめぐる、体内を血液がめぐる、季節がめぐる…自然界はさまざまなところでの「めぐる」から成っています。有限な地球で、生きものたちが38億年続いてきたのも、一つの生命体が滅び、また新しい生命体が生まれるというように「めぐる」をくり返してきたからです。さまざまな研究室をめぐって興味深い研究を探し出すのも楽しみです

季刊「生命誌」をもっとみる

映像で楽しむ