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研究館より

表現スタッフ日記

2021.06.15

本日、季刊「生命誌」106号を発行します

本日、季刊「生命誌」106号を発行しました。テーマは、「昆虫と植物の織りなす世界」です。巻頭のトークは、『完訳版ファーブル昆虫記』の翻訳者である奥本大三郎先生と永田和宏館長が語り合います。リサーチではアゲハチョウやキャベツなど、身近な昆虫と植物のふるまいから、両者の互いに利用し合う関係が見えてきました。また、第二弾となるウイルスのぺーパークラフト、「タバコモザイクウイルス」です。ぜひ、ダウンロードパーツを使って組み立てながらウイルスのできかたを体験してください。コロナ禍の中でのリモート取材に始まり、テレワークというこれまでにない制作進行のスタイルで、遠隔だからこそ、いつにも増して、メンバー一同が、一体となる努力の末に、送り出すことができました、ぜひご覧ください。

季刊誌で昆虫の植物の関わり合いに向き合う日々は、「なんてうまいことできているんだろう!」と驚きの連続でした。花の蜜と引き換えに花粉を運んでもらう植物、植物が持っている毒を利用して身を守る昆虫、食害する昆虫から身を守るために天敵となる昆虫を味方につける植物、敵に襲われないように植物に擬態する昆虫など。形は違えど、ため息が出るほどうまく、綿密に組み合わさった関係ができています。長い歴史の中で偶然の積み重なりもあって築かれてきた関係です。「こんな風に蜜を探してね」「危なくなったらこうやって味方を呼ぶのよ」などと教えてもらうことが(おそらく)ない中で、したたかに築かれた関係に驚くばかりです。この関係を知れば知るほど、通勤途中や食草園で見かける植物や昆虫をじっくり見つめる時間が増えました。皆さんも季刊誌を読んで同じように感じていただけたら嬉しいです。