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研究館より

表現スタッフ日記

2022.03.15

「生きものの時間」はじまります

多くの方と同じく、私は朝だいたい同じ時間に起きて、だいたい同じ時間に食事をとり、だいたい同じ時間に寝ています。毎日、時計とともに生活しています。1日は24時間と決められ、すべての人に平等に揺るぎない時間が与えられ、その中で生きているという日常感覚。しかし、この時間ってなんなんでしょう??

今年の季刊「生命誌」のテーマは「生きものの時間」です。本日発行した108号では、生きものが「生まれるまでの時間」としました。まずは、PERSPECTIVE記事「ゲノムが刻む生きものの時間」をご覧ください。例えば、脊椎動物の発生で大事な体節をつくる過程を見てみると、体節が1対できるおおよその時間は、ヒト5時間、マウス2時間、ニワトリ1時間半、ゼブラフィッシュ30分となっています。同じことをするのに、こんなにも時間が異なります。1日、1時間という絶対的な時間のほかに、「生きものの時間」という生物学の視点から別の軸を見出すことができます。時計の時間だけが時間なのではなく、それぞれの生きもの独自の時間があるというわけです。今年は1年かけて「生きものの時間」に向き合い、生きているということをより深く実感したいと思います。今号は、季刊誌の過去の記事から、関連記事もたっぷり紹介しています。あわせてお楽しみください。

*季刊誌は1993年に発行を始め今年29年目を迎えます。これまで発行したほぼすべての900記事をリニュアル公開しました。検索機能も充実しましたので、関心あわせ使ってみてください。

*今年の季刊誌の発行は、3月、6月、9月、12月の4回を予定しています。そのうち、カード版(紙媒体)での発行は、6月と12月の2回です。詳細はこちら