表現スタッフ日記
2026.06.16
3/26-6/23
今年もこの日付を記すことから日記を始めたいと思います。1945年3月26日、慶良間(けらま)諸島に米軍が上陸し、「沖縄戦」が始まります。日本軍総司令官が亡くなり、組織的な戦闘が終了したのが6月23日。この3ヶ月間、小さな島々の中で人々は逃げて、逃げて、そこに砲弾と梅雨のぬるい雨が降り注いでいたのです。去年もこの時期に、今から80年前の〜と沖縄戦のことを書きましたが、「戦後」はまた1年延びて、今年で81年目となります。
「戦争に対置するのは日常」—— 中村名誉館長の言葉です。私も心からそう思います。この春はマンションのベランダでイチゴを育てていましたが、ある日粒々のふくらみができ、大きくなり、赤く色づいていく。一粒のイチゴの移り変わりを眺める毎朝が、平和の実態なのでしょう。そんな日常が失われたのが81年前の沖縄です。大学院時代を沖縄で過ごしたこともあり、この3ヶ月間(3/26-6/23)は、沖縄と共にありたいと思っています。とは言え、特別に何かするわけではなく、波の音、風の匂い、葉っぱの緑をできるだけたくさん思い返してみる、くらいのことです。そして、沖縄の空を想像するとき、一人のおじいさんの姿が浮かんできます。
沖縄における米軍基地の建設は上陸直後から始まりましたが、現在では本島の約15%を占め、軍用機は頻繁に空を飛び交います。敗戦から30年が経った頃、『いくさ世を生きて 沖縄戦の女たち』の作者、真尾悦子氏は、沖縄の特別養護老人ホームを取材します。そこでは、あるおじいさんが、腰を引きひどく怯えながら、軍用機が通る度に2階のガラス戸から空を見上げているのです。他の入居者は「アレ、またやってるよ」と一言。「戦後」というのは、誰に向けての言葉なのでしょう?このおじいさんの戦後と私の戦後は同じ言葉で語れるのでしょうか?81年という数字から、何を受け取れば良いのでしょう?—— 頭がグルグルしてくると、ベランダに出て、イチゴを眺める日常に戻ります。収穫も終わり、ツル状の茎が勢い良く伸びています。
「戦争に対置するのは日常」—— 中村名誉館長の言葉です。私も心からそう思います。この春はマンションのベランダでイチゴを育てていましたが、ある日粒々のふくらみができ、大きくなり、赤く色づいていく。一粒のイチゴの移り変わりを眺める毎朝が、平和の実態なのでしょう。そんな日常が失われたのが81年前の沖縄です。大学院時代を沖縄で過ごしたこともあり、この3ヶ月間(3/26-6/23)は、沖縄と共にありたいと思っています。とは言え、特別に何かするわけではなく、波の音、風の匂い、葉っぱの緑をできるだけたくさん思い返してみる、くらいのことです。そして、沖縄の空を想像するとき、一人のおじいさんの姿が浮かんできます。
沖縄における米軍基地の建設は上陸直後から始まりましたが、現在では本島の約15%を占め、軍用機は頻繁に空を飛び交います。敗戦から30年が経った頃、『いくさ世を生きて 沖縄戦の女たち』の作者、真尾悦子氏は、沖縄の特別養護老人ホームを取材します。そこでは、あるおじいさんが、腰を引きひどく怯えながら、軍用機が通る度に2階のガラス戸から空を見上げているのです。他の入居者は「アレ、またやってるよ」と一言。「戦後」というのは、誰に向けての言葉なのでしょう?このおじいさんの戦後と私の戦後は同じ言葉で語れるのでしょうか?81年という数字から、何を受け取れば良いのでしょう?—— 頭がグルグルしてくると、ベランダに出て、イチゴを眺める日常に戻ります。収穫も終わり、ツル状の茎が勢い良く伸びています。


阪内 香 (研究員)
表現を通して生きものを考えるセクター