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研究館より

表現スタッフ日記

2026.10.01

『食草園展』やってます!

現在、生命誌研究館の1F展示ホール中央で、『企画展「食草園 ーチョウと食草が出会う場所―」(以下、食草園展)』を開催中です。(~11/29まで)

食草園は、生命誌研究館の屋上にある約12平方メートルの小さな庭で、年間で20種類ほどのチョウの幼虫が食べる植物(食草)と、成虫がお腹を満たすための花を植えてあります。チョウやその他の生きものは、外から自由にやってきます。食べものが植えてあるとはいえ、この庭は建物の4階の高さで周りを壁に囲まれており、チョウが気軽に立ち寄るには決してよい条件には見えないのですが、研究館のスタッフが毎日食草園の様子を観察していると、小さな卵や幼虫の他、いろいろな生きものが見つかります。

その食草園とスタッフの日常を『食草園展』という形で表現することにより、ここを訪れてくださった皆さまが、ご自身の日常でも小さな生きものの営みを発見する体験に繋がればという期待を込めた企画です。

私は展示案内ガイドですが、先日女子高校生の団体さまを食草園にご案内したとき、大きな終齢のナミアゲハの幼虫がモリモリとミカンの葉を食べている様子が観察できました。普段、そんな大きな幼虫をいきなり見つけたら、きっとキャーと後ずさってしまいそうな年頃の皆さんですが、しゃがんでじーっと見つめ耳をすませて幼虫が葉をかじる音を聴いていました。

来館していただいたときにこのような実体験ができることは稀ですが、食草園展では大きな画面で幼虫たちが葉をかじる様子を”音付き”で見ていただけます。チョウの幼虫は種類により(もしかしたら個性で?)食べ方やスピードが違うことがわかります。生きものの食事風景は、生きてる!という感じがして私はとても好きなのですが、この映像もいつまでも見ていられる楽しさです。

また、生命誌研究館ではチョウと食草の関係を研究しており、食草園はその研究の場でもあります。研究は観察からうまれた問いを突きつめて発見をし、その発見からまた問いがうまれて、の繰り返しです。「問いの発掘」が生命誌研究館のテーマのひとつになっていますが、問いをたてるのは研究者の専売特許ではなく、私たちも少しまわりを注意深く見てみればたくさんの不思議があり、それを知ろうとすることが小さな生きものたちも大切な仲間だと思うことに繋がるのではないでしょうか。

食草園展では、皆さまのなかにうまれた問いを、どんどんメモにして貼り付けていただくコーナーがあります。どなたかが貼ってくださった問いを見ているだけでも新しい気づきがたくさんあって、とても楽しいです。また、研究館の「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ(昆虫食性進化研究室)」の尾崎研究員が、疑問に思っていることへの答えを考えるコーナーもありますので、ぜひ皆さん、その答えを探しに、そして新しい問いを見つけに、『食草園展』へお越しください。
 

食草スタンプで、チョウの幼虫に葉っぱをあげよう!

室園純子 (館内案内スタッフ)

表現を通して生きものを考えるセクター