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研究館より

ラボ日記

2020.03.16

昆虫採集は難しい

2017年4月に生命誌研究館の系統進化研究室に配属されてから3年が経ち、2020年3月をもって退職することになりました。異動先は京都大学ですが、引き続き当研究室と協力しながら、イチジクやイチジクコバチ、それらと関わりのある昆虫類(ハエやアリ)の共生関係、共種分化機構の解明を目指します。

ということで、退職直前にも関わらず、この2月に、研究に使用する標本を確保するため石垣島と西表島へ調査に行ってきました。2月といえども八重山はすでに暖かく、イチジクコバチが山ほど採れる予定…だったのですが、残念ながら、ほとんど採れず、自然の厳しさを改めて教えられました。まだまだ修行が足りないようです。

早急に次の調査を組みたいところですが、3月現在、新型コロナウィルスの広がりにより、夏頃までは調査を見送る可能性が高くなっています。フィリピンや台湾での調査も予定していましたが、目処がたちません。しばらくは、デスクワークが増えると思うので、溜まっているデータを整理し論文にする好機に変えたいと思います。幸先がよいことに、イチジクを食べるハエの新種記載の論文が出版されました(https://doi.org/10.1016/j.aspen.2019.11.007)。この調子でこの3年間の成果を次々報告していきたいです。


西表島大富林道から望む仲間川
 

有本晃一 (奨励研究員)

所属: 系統進化研究室

九州大学の昆虫学教室で学位を取得後、こちらの研究室に配属されました。ハチ目、コウチュウ目を対象に研究を進めています。最近はハエにも興味があります。